皮膚科で処方される美白剤ハイドロキノン(Hydroquinone)の効果についてわかりやすく紹介します。「シミ消しゴム」「肌の漂白剤」などとも呼ばれているハイドロキノンの美白効果、効果的な使い方、塗る順番など解説していきます。
ハイドロキノン(Hydroquinone)は美白効果の高い皮膚科用の薬成分です。「ヒドロキノン」と表記されることもあります。欧米では肝斑(かんぱん)の治療薬として長年使用されてきた歴史があります。
ハイドロキノンは皮膚漂白作用があり、メラニン色素の合成を抑制するはたらき、さらに肌に沈着したシミを減少させる効果があります。肝斑、炎症後色素沈着、日光黒子(紫外線の積み重ねによる老人性シミ)、雀卵斑(そばかす)、くすみ、クマなどに効果が認められています。*1
アトピー性皮膚炎による色素沈着への効果を調べた報告では、年齢関係なく71%の人に有効性が認められました。*2
ハイドロキノンは効果が強力なお薬なので、正しい塗り方を守ることが大切です。間違った使い方では効果なし、となるだけではなく副作用のリスクにもなりかねません。
他のスキンケア製品と使う中で、効果的な塗る順番があります。
まずは洗顔して顔を清潔にします。ハイドロキノンを塗る前に化粧水で肌を整えます。ベタベタな状態ではなく乾かしてからハイドロキノンを塗ります。
洗顔→化粧水→ハイドロキノン→日焼け止め(夜は不要)
1日1回夜のみ、または朝と夜の2回使うこともできます。ただし紫外線に当たるとよりシミが濃くなる恐れがあるため、紫外線対策が最も重要となります。また、紫外線の強い時期は夜だけにすることも推奨されています。
ハイドロキノンクリームは酸化すると白から黄色に変色して使えなくなります。保存する際は冷暗所で保存し、早めに使い切るようにしましょう。
【トレチノインとハイドロキノンをセットで使う塗り方】
トレチノインをハイドロキノンと併用することで、肌のターンオーバーが促されるため、毛穴の詰まりや開きの改善も期待できます。最後にいつも通りのメイクをしても大丈夫です。
洗顔→化粧水→トレチノイン→ハイドロキノン→日焼け止め(夜は不要)
気になる部分にピンポイントにトレチノインを塗り、その後にハイドロキノンをトレチノインよりも広範囲に使用してカバーします。使用中に紫外線に当たると、逆にシミが濃くなることがあるため注意しましょう。
乾燥しやすくなるため保湿剤やオイルなどを適宜使用します。アルコール入りの化粧品は刺激が強いため控えるようにしましょう。*3
ハイドロキノンの効果が出るまでには、およそ2~3ヶ月ほど必要とされています。美容クリニックや皮膚科の治療では、半年くらい使用したら、休薬期間を2〜3ヶ月くらい設けることが指導されています。
通常、塗り始めてしばらくすると、赤みが出てヒリヒリしたり、皮むけがあらわれることがあります。2週間ほどがピークとされ、だんだん治るのが一般的です。
経過を観察して、万が一、赤みや痛みがひどくなった場合は、使用を中止して医師の診察を受けましょう。
ハイドロキノンの市販薬と皮膚科薬は、ハイドロキノンの濃度が異なります。通常、市販品が1%~3%程度で、処方薬が4%~10%の高濃度です。
日本で高濃度のハイドロキノンは皮膚科などで自費購入(保険適用外で全額自己負担)になります。数ヶ月にわたる治療となるため、病院でハイドロキノンを処方してもらうには診察料や薬代など諸費用を合計すると2万円以上、中には5万円以上の料金のクリニックもあります。
海外からの医薬品を個人輸入する場合は、処方箋不要で自己責任にて通販することが可能です。個人輸入は個人で使用する場合に限り利用できます。
参照リンク
*1 ハイドロキノンの再評価