シアリスの歴史、どのようにして新しいED治療薬が生まれたのか

シアリスは効果の持続時間が長いことや副作用が少ないことで人気を集めている勃起不全の治療薬です。シアリスは誕生してから15年以上が経過し、世界中の男性に使用されています。

本記事では、シアリスがどのように誕生したか、売り上げがどのように変化してきたかなど、シアリスの歴史を振り返ります。そして、どのようにしてシアリスが世界で最も人気のED治療薬の1つになったのか、その経緯を説明します。

勃起不全とバイアグラの誕生

勃起不全とは、「勃起機能の低下」を意味し、英語ではErectile Dysfunctionといいます。省略して、EDと呼ばれることもよくあります。具体的な症状としては、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または勃起を維持できない状態が持続・再発することを指します。

勃起不全で悩む男性の数は年々増え続けており、現在では日本人男性の4人に1人が勃起不全で悩んでいるとされています。勃起不全の原因には、ストレスや疲れなどの精神的なものから、加齢、肥満、運動不足まで多くのものがあげられます。かつては勃起不全に対する有効な治療法はなく、男性たちはなす術がありませんでした。

そして、1998年5月に世界初の勃起不全の治療薬としてアメリカのファイザー社(Pfizer Inc.)よりバイアグラ(Viagra)が発売されました。バイアグラは有効成分としてシルデナフィル(Sildenafil)を含有しており、服用してから1時間ほどで力強い勃起を得ることができます。発売された当初は「夢の薬」として話題となり、世界中の男性の注目を集めました。

日本でも1999年3月より発売となり、現在世界110ヶ国以上で発売されています。

その後、2000年代に入ると、バイアグラに続いて新たな勃起不全の治療薬が発売されるようになりました。

その1つが本記事で取り上げているシアリス(Cialis)です。シアリスには有効成分タダラフィル(tadalafil)が含まれており、タダラフィルはシルデナフィル(sildenafil)やバルデナフィル(vardenafil)、アバナフィル(avanafil)と同じくPDE5(5ホスホジエステラーゼ)阻害薬というクラスに分類される医薬品です。

シアリスの誕生

シアリスは現在、アメリカの製薬会社、イーライリリー社(Eli Lilly and Company)によって製造販売されています。しかし、シアリスを最初に開発したのはイーライリリー社ではありませんでした。

1990年代、イギリスの製薬会社であるグラクソスミスクライン(GlaxoSmithKline plc)は、アメリカのバイオテクノロジー企業であるアイコス コーポレーション(Icos Corporation)と共に心血管疾患のお薬の研究をしていました。

その際の臨床試験において、開発中のお薬に勃起を促す作用があることが発見され、1996年以降、勃起不全の治療薬の開発に注力するようになりました。

そして、1998年にタダラフィルを有効成分としたED治療薬、シアリスが開発されたのです。2002年3月には米国泌尿器科学会にタダラフィルの効果を証明する臨床試験の結果が報告され、翌年2003年にFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を取得するに至りました。この頃、欧州議会によってもシアリスの販売が認められます。

そして、同年シアリスの販売がアメリカやヨーロッパで開始されました。

さらに、2008年には、イーライリリー社によって開発された1日1回投与型のED治療薬シアリス(シアリスデイリー)がFDAにより承認されました。シアリスデイリーは、5mg、2.5mgが販売されています。週に2回以上性行為をする男性は、このシアリスデイリーを毎日服用することによって、効果を継続的に得ることができます。

また、通常のシアリスを購入して、ピルカッターで割って服用することもできます。

このようにして誕生したシアリスは、現在では世界100か国以上で多くの男性に使用されています。

日本新薬が製造、販売、日本におけるシアリス

日本でシアリスは、2007年7月31日に勃起不全の治療薬として製造承認を取得し、9月12日に発売開始されました。商品名はシアリス錠で、5mg、10mg、20mgの3つの規格で厚労省の承認を取得しています。

当初は日本イーライリリー社によって販売されていましたが、2009年7月1日以降、日本イーライリリー株式会社が日本新薬に販売権を移管したため、現在シアリスは日本新薬から販売されています。

シアリスのマーケティングシェアの変動

シアリスは2003年に販売されてから、売り上げ、市場シェアを増やし続けました。

2004年には、年間5億5200万ドル、翌年の2005年には35%増の7億4700万ドルを売り上げました。それまではバイアグラがED治療薬市場の60%を占めていましたが、シアリスの登場により市場シェアに大きな変化があったのです。

その後も、シアリスの売り上げは増え続け、2006年の全世界での売り上げは10億ドルを超え、一方でバイアグラのシェアは縮小していきます。

そして遂に2013年、シアリスはED治療薬としてのシェアが42%となり、世界市場で1位となりました。2013年のED治療薬の世界売上は約45億ドルであり、シアリスが約20億ドル、バイアグラ18億ドル、レビトラ(Levitra)が4億円という内訳になります。この年は、日本国内だけでも、シアリスは約150億円を売り上げました。

しかし、その翌年である2014年、バイアグラの特許が満期となったため、世界中の製薬会社からバイアグラにジェネリック医薬品が発売されます。これにより、多くの男性がより価格の安いバイアグラのジェネリック医薬品を選ぶようになり、シアリスの売り上げが減少し始めました。

しかし、2017年にはシアリスの特許が欧米では満了を迎え、すでに複数の製薬会社からシアリスのジェネリック医薬品が発売されています。今後シアリスのジェネリック医薬品が増えれば、再度シアリスの売り上げがバイアグラを抜く可能性が高いと予想されています。

シアリスの特許について

ヨーロッパ諸国やアメリカでのシアリスの特許は、2017年11月が失効しました。これを機に

イーライリリー社以外の製薬会社が合法的にジェネリック医薬品を製造、販売することが可能になりました。

テバファーマスーティカル株式会社(Teva Pharmaceutical Industries Ltd)やアコード・ヘルスケア(Accord Healthcare)は、いち早くジェネリック医薬品の開発をし、すでにシアリスのジェネリック医薬品の発売を開始しています

一方、日本国内ではまだシアリスの特許自体が有効であるため、厚生労働省から認可を受けたシアリスジェネリック薬というのは存在しないということになります。

シアリスの有効成分タダラフィル - その他の病気への適応の歴史

・前立腺肥大症(BPH)

2008年8月19日、米国泌尿器科学会を代表してElsevierが発行している雑誌、The Journal of Urologyで、タダラフィルには前立腺肥大症(BPH)の兆候がある男性の下部尿路症状(LUTS)に対して改善の効果があることを発表しました。タダラフィルは、尿道や前立腺の平滑筋細胞においてホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害することにより、局所的にcGMPの分解を阻害し平滑筋を弛緩させる働きがあります。これにより、下部尿路組織の血流、酸素供給が増加し、前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状が緩和されるということが明らかになりました。

そして、「前立腺肥大症に伴う排尿障害」という適応で2011年10月に米国で、2012年10月に欧州で承認されています。

日本では、2014年5月に日本新薬から前立腺肥大症治療薬として、「ザルティア」という商品名で発売されるようになりました。

 

・肺動脈性肺高血圧症(PAH)

タダラフィルは、2009年に肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療薬として、FDAからの承認を得ています。これは、平滑筋を弛緩させるタダラフィルのホスホジエステラーゼ5阻害薬としての作用が、肺動脈圧および肺血管抵抗を低下させることが認められたためです。

そして、日本では同年の12月から商品名「アドシルカ」として販売されています。

 

・筋ジストロフィー(muscular dystrophy)

2014年5月、米国神経学会(AAN)はシアリスが筋ジストロフィーの血流異常を改善することを示した研究を発表しました。

タダラフィルには、血管を拡張させる作用があるため、長期間使用することで筋肉を保護し、病気の進行を遅らせることが期待されています。しかし、シアリスの筋ジストロフィーに対する効果はまだ臨床実験段階であり、正式な治療法としては認可されていません。

シアリスの購入方法

シアリスは病院で処方してもらうことができる他、個人輸入代行サービスを利用して購入することができます。個人輸入代行サービスとは、海外のお薬を代わりに輸入して、自宅まで発送してくれるサービスのことを指します。

個人輸入代行業者は海外から個人輸入を行うため税関の手続きなどをすべて代行してくれるため、通常のオンラインショッピングと同じ感覚で購入することができます。また、お薬を個人輸入する場合は、医師の処方箋は不要となるので、気軽にお薬を購入することができます。ただし、薬事法で一度に輸入できるお薬の量が決まっている他、輸入したお薬は他人に譲渡してはいけないというルールがあるので注意が必要です。

個人輸入代行サービスを利用すれば、日本では販売されていない海外製のシアリスのジェネリック医薬品を購入することができます。例えば、インド製のジェネリック医薬品は、タダシップ、タダリス、メガリスなどの商品名で販売されています。これらはシアリスと同じくタダラフィルを有効成分としており、同様の効果を得ることができます。

インドでは異なる特許法が制定されているため、シアリスの特許の満了に関係なくジェネリック医薬品が製造・販売されてきました。ジェネリック医薬品であれば開発費用がほとんどかかっていないので、シアリスの半分以下の価格で購入することができます。そして、インドの大手製薬会社がシアリスのジェネリック医薬品を製造しているため、安心して服用することができます。

私達のウェブサイトでも個人輸入代行サービスを提供しており、シアリスやそのジェネリック医薬品を購入することができます。

シアリスの今後に期待

シアリスは誕生してから売り上げを伸ばし続け、バイアグラを超えて世界シェア1位を獲得したことがある人気のED治療薬です。

今後、シアリスのジェネリック医薬品が多く誕生すれば、ますますシアリスのED治療薬市場での存在感が強まっていくといえるでしょう。

また、シアリスの研究はまだまだ続けられており、今後新たに適応症が見つかることも期待されています。