服用前に知っておくべき、シアリスの副作用

ED(勃起不全)の治療薬として日本でも知名度の高いシアリス(Cialis)。シアリスは、バイアグラ(Viagra)、レビトラ(Levitra)に続いて3番目に開発されたED治療薬で、効果の持続時間が24〜36時間と長いことが特長です。そして、シアリスが含んでいる有効成分タダラフィル(Tadalafil)は、他のED治療薬に比べて効果が出るのがゆっくりとあらわれる遅効性のお薬であることから副作用があらわれにくいというメリットがあります。

しかし、シアリスの過剰摂取により重度の副作用が発生することもあります。シアリスは安全性が確認されている医薬品ですが、ED薬を服用する前には、潜在的なリスクを事前によく理解することが大切です。

タダラフィルの副作用の発生数

FDA(アメリカ食品衛生局)は、2002年~2012年の10年間にわたり、市販のED治療薬による副作用の報告件数を調査しました。この調査結果を表にすると以下のようになります。

タダラフィルを服用した際の副作用は、10年間で5548件報告されています。このうち、死亡したケースは4.3%、心血管系の副作用は7.8%だったとされています。

一方でシルデナフィル(Sildenafil)の副作用の報告数は148181件で、そのうち12.3%である1824件は死亡例となっています。バルデナフィル(Vardenafil)では、副作用が5548件報告されており、256件が死亡例という結果になりました。

シルデナフィル、バルデナフィルと比較するとタダラフィルの副作用の発生件数は少なく、タダラフィルの副作用の発症率が低いことがわかります。

具体的な副作用

以下の表にシアリスや他のED治療薬によくみられる一般的な副作用をまとめています。

シアリスではこれらの症状が、服用した人の約10%にあらわれます。

鼻づまり、頭痛、紅潮、背中の痛みは、どのED治療薬でも見られますが、四肢痛はシアリスを服用した時のみ報告されています。

これらの症状はシアリスの効果と共に薄れていくことがほとんどなので、大きな心配をする必要はありません。

また、1%以下の人に発症する珍しい副作用としては以下が挙げられます。

これらの重度の副作用があらわれた場合は、すぐに医師に相談するようにしてください。

シアリスの目への影響

1. 視界のぼやけや痛み

シアリスは一時的に視力に影響を及ぼすことがあります。視界がぼやけたり、目に痛みを感じたりなどの副作用が稀に生じます。また、視界の色が感じられなくなったり、青と緑の区別ができなくなったりなどの症状も報告されています。

しかし、ほとんどの場合、これらの症状は短時間でおさまり、長く続くことはありません。

 

2. 非動脈炎性前部虚血性視神経症

より重度な副作用として、ごく稀に視力低下や視力喪失につながる非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)を引き起こすこともあります。この症状は、糖尿病や心臓病、高血圧の人に現れやすいとされています。

 

3. 網膜色素変性症

シアリスを服用することにより、網膜色素変性症を引き起こすリスクもあります。網膜色素変性症は遺伝子の突然変異によって起こる病気であり、視力に関わるPDE6(環状ヌクレオチ ドホスホジエステラーゼ6)の量が通常よりも少ないのが特徴です。シアリスはPDE5阻害剤として知られていますが、稀にPDE6も阻害することがあります。

これにより網膜色素変性症の患者は視力を失うリスクがあります。また、家族に網膜色素変性症を患っている人がいる場合も、シアリスの服用は避けた方が良いとされています。

 

万が一、一時間以上目が見えないなどの症状が出た場合は、すぐに医師に相談する必要があります。

持続勃起症

発症する可能性は極めて低いですが、シアリスを服用したことにより、持続勃起症を発症することがあります。持続勃起症とは4時間以上勃起が続く症状のことで、激しい痛みを伴うのが特徴です。

持続勃起症を放置してしまうと、海綿体組織が壊死(えし)してしまう可能性があり、その後に勃起に大きな悪影響を与えます。

痛みを伴う勃起が長時間続く場合は、性機能専門医がいる病院へ行って救急で助けを求めるようにしてください。

突発性難聴

シアリスを服用したことによる突発性難聴も報告されています。

突発性難聴はシアリスを服用した後24時間以内に発生することがほとんどで、片耳、もしくは両耳に症状があらわれます。

この症状は2007年にFDA(米食品医薬品局)も認めており、ラベルに表示することを義務付けています。シアリスを服用した後に耳鳴りがしたり、急激に聴力が下がったと感じられた場合は、すぐに耳鼻科医に相談するようにしましょう。

副作用の原因

シアリスは副作用の発症率が少ないED治療薬であり、正しく使用していれば安全に服用することができます。万が一副作用が発症した場合は、以下のことが原因として考えられます。

 

1. アルコールを摂取していないか

適度の量のアルコールであれば、シアリスと併用することができます。しかし、アルコールを過剰に摂取してしまうと、副作用の原因となります。

シアリスとアルコールには、共に血管を拡張させる作用があります。そのため、併用することで急激に血圧が下がり、めまいや頭痛などの副作用の原因となることがあります。

 

2. シアリスを過剰摂取していないか

シアリスを過剰摂取してしまうと副作用の原因となります。シアリスは厚生労働省から5mg、10mg、20mgの規格でのみ承認を受けています。これは日本人の体型にあった用量であり、これらの量で十分効果を得ることができます。そして、一日の最大摂取量は20mgとなっています。

この量を超えて摂取してしまうと、体内に有効成分タダラフィルが蓄積してしまい、副作用の原因となります。初めてシアリスを服用する人は、少ない用量から飲み始め、身体の反応を見つつ量を調整するようにしましょう。

 

3. シアリスとの相性が悪い場合

服用方法や摂取量に関わらず、シアリスと身体の相性が悪いと副作用の原因となることがあります。その場合は、シアリスではなく、バイアグラやレビトラなど他の有効成分を含んだED治療薬を服用することが推奨されています。

シアリスの副作用の発症数は低い

シアリスはバイアグラやレビトラに比べて副作用の発症数が少ないので、低リスクで服用することができます。

また、アルコールを控えたり、用量を調整することでシアリスの副作用を防ぐことも十分可能です。

シアリスは正しい服用方法で利用すれば勃起不全を改善することができる画期的なお薬です。バイアグラやレビトラが身体に合わなかったという人でも、シアリスを服用してみると良好な効果があらわれることがあるので、試してみると良いでしょう。