ED(勃起不全)の治療法とは

日本人男性の約25%が悩んでいるとされるED(勃起不全)。現在EDを改善するためには、ED治療薬を始め多くの手段がありますが、初めての場合は、どんな治療法があるのか、どのように作用するのか、副作用はあるのか、など多くの疑問があるだろうと思います。知識がないことから、EDを放置しがちな人も多いはずです。

そこで本記事では、そんな不安を解消するためにも、EDの治療法について詳しくご紹介します。

ED治療薬とは

EDは、性的刺激を受けてもまったく勃起しない、勃起に時間がかかってしまう、勃起してもすぐに萎えてしまう、などの症状を指し、日本人男性の25%が悩んでいる病気とされています。

そんなEDに対して最も効果的なのが、ED治療薬を服用することです。ED治療薬とは、主に経口剤を指し、陰茎の血流を促進することで勃起を促進します。「血行の促進」という作用はいずれのED治療薬にも共通していますが、効果が出るまでの時間や効果の持続時間などはそれぞれで異なります。一概にどのED治療薬がいい、と言うことはできず、どのような効果を得たいかによって自分に適したものを選ぶことが推奨されています。

 

以下は代表的なED治療薬とそれぞれの詳細です。

バイアグラ(Viagra)

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概要

バイアグラとは世界初のED治療薬であり、1998年にアメリカで、1999年に日本で販売が開始されました。製造会社はアメリカのファイザー社です。

有効成分シルデナフィル(Sildenafil)を含有しており、服用してから40分~1時間で効果を得ることができます。そのため、性行為の1時間前に服用することが推奨されています。そして、効果は4時間~5時間継続します。

バイアグラは世界初のED治療薬として絶大な人気を維持していますが、食事の影響を受けやすい点が欠点として挙げられます。

 

副作用

ほてり、目の充血、頭痛、動悸、鼻づまりなどの症状が報告されています。また、ごく稀に勃起がおさまらないという症状がでることがあります。この場合は、すぐに医師に相談するようにしてください。

 

ジェネリック医薬品

バイアグラのジェネリック医薬品の代表的なものには、カマグラ(Kamagra、かまぐら、カマクラ)、センフォース(Cenforce)、スーパーフィルデナ(Super Fildena)などがあります。

また、バイアグラの特許が2014年5月に満了となってからは、日本国内でもシルデナフィル OD錠 50mg VI「トーワ」、シルデナフィル錠 50mg VI「キッセイ」、シルデナフィル錠 50mg VI「FCI」などのジェネリック医薬品が製造されています。

レビトラ(Levitra)

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概要

レビトラとはバイアグラに続いて2004年に日本で販売が開始された第2のED治療薬です。ドイツのバイエル薬品によって製造・販売されており、バルデナフィル(Vardenafil)を有効成分としています。

バルデナフィルは水に溶けやすい性質を持っているため、バイアグラよりも即効性があり、服用してから20分~40分程度で効果を感じることができます。そして、作用時間は10mgで約5時間、20mgでは約7~10時間となっています。レビトラは、バイアグラよりも食事の影響を受けにくいという特徴があります。しかし、十分な効果を得るためには食事の内容を700キロカロリー以内に制限することなどの条件があります。

副作用

バイアグラと同じく、ほてり、目の充血、頭痛、動悸、鼻づまりなどの症状が報告されています。また、ごく稀に勃起がおさまらないという症状がでることがあります。

ジェネリック医薬品

海外ではバリフ(Valif)、ジェビトラ(Zhewitra)、ビリトラ(Vilitra)、サビトラ(Savitra)、レビスマ(Levisma)などの、レビトラのジェネリック医薬品が流通しています。しかし、バイエル薬品の持つ特許が満了していないため、日本国内ではジェネリック医薬品は販売されていません。

シアリス(Cialis)

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概要

シアリスは2007年に日本イーライリリー株式会社から発売されたED治療薬です。

シアリスの有効成分であるタダラフィル(tadalafil )は、水に溶けにくいのが特徴で、服用してから効果があらわれるまで、30分~4時間を要します。そのため、性行為の3時間ほど前に服用することが推奨されています。

そして、シアリスはゆっくりと効果があらわれることから作用時間が長いという特徴があり、10mgで20~24時間、20mgで30~36時間も効果を維持することができます。この作用時間の長さから、シアリスは2013年にはバイアグラを超えて全世界シェアが第一位となりました。

また、シアリスには食事の影響を受けにくいという特徴もあります。800キロカロリー以内の食事であれば、食後の服用でもしっかりと効果を得ることができます。

 

副作用

頭痛、ほてり、消化不良、背部痛、筋痛、鼻づまり、四肢痛などの副作用が報告されています。しかし、シアリスはゆっくりと作用することから、副作用の発症率は3割程度と他のED治療薬に比べて低くなっています。

 

ジェネリック医薬品

シアリスのジェネリック医薬品にはメガリス(Megalis)、タダリスSX(Tadalis SX)、タダシップ(Tadacip)、タダライズ(Tadarise)、シアスマ(Ciasma)、タダポックス(Tadapox)などがあります。レビトラと同様にシアリスの特許が日本では満了していないため、国内ではジェネリック医薬品は販売されていません。

ステンドラ(Stendra)

概要

ステンドラはアメリカのヴィヴス社から2013年に販売開始された最も新しいED治療薬です。日本国内では未承認となっていますが、一部のクリニックは厚労省の認可を受けたとして輸入代行をして処方をしています。ステンドラはアバナフィル(Avanafil)を有効成分としており、服用してからわずか15分で効果を得ることができるのが最大の特徴です。しかし、効果が出るのが早い一方で、持続時間が3時間と短いというデメリットがあります。その他、ステンドラは食事の影響を受けにくいという特徴もあります。

副作用

鼻咽頭炎、紅潮、頭痛、鼻づまり、めまい、背部痛などが報告されています。

ジェネリック医薬品

ステンドラのジェネリック医薬品としてアバナ(Avana)やスーパーアバナ(Super Avana)が販売されています。

テストステロン補充療法

男性更年期障害(LOH症候群)の症状の1つとして、加齢に伴い男性ホルモンであるテストステロンが減少します。このテストステロンの分泌量が減ると性欲が減少し、勃起不全の原因となります。

テストステロンの値は血液検査ですぐに知ることができます。この血液検査では過去のテストステロンの値を知ることはできないので、標準値と比較することでテストステロンが減少しているかを判断します。

検査の結果、テストステロンの値が平均よりも低い場合は、口腔パッチ、経口剤、注射剤、皮膚吸収剤、皮下植え込み型のテストステロンペレットなどのテストステロン補充療法をすることにより、テストステロンの値を高め、勃起不全を改善することができます。また、テストステロンは、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬の作用を強めることができます。

最新の治療薬

以下のお薬はまだ日本で販売されていないものや、研究が進められている段階のED治療薬の一例です。

 

アポモルヒネ

アポモルヒネは舌の下で溶かして服用するタイプのお薬です。アポモルヒネは1869年からパーキンソン病などの治療に使用されており、後に勃起を促す作用があることが発見されました。

アポモルヒネは、血行を促進するのではなく、脳を中枢神経に作用することで勃起を促進します。現在は日本やアメリカでは販売されておらず、主にヨーロッパで入手が可能です。

 

メラノコルチン活性化剤

メラノコルチン活性化剤は、アポモルヒネと同じく中枢神経に作用するお薬です。現時点では動物に対する実験が行われており、勃起を促進することが確認されています。

しかし、まだ安全性や有効性が十分に実証されておらず、研究段階のお薬となります。メラノコルチン活性化剤が実際に人に対して使用される場合、鼻を介して投薬することとなります。

 

トピグラン

トピグランは他のED治療薬とは異なり、陰茎に直接塗布するタイプのお薬です。陰茎から吸収され血流を促進するため、塗布してから数分で作用します。そのため、性行為の直前に使用するだけで効果を得ることができます。

臨床実験では70%の男性に効果がみられており、バイアグラやレビトラなどのED治療薬で効果が得られなかった人に推奨することができます。

EDの治療方法の歴史についてご関心のある方は「ED(勃起不全)の歴史」の記事をご参照ください。

自らの症状に合った治療方法を医師の指示のもとで選択しましょう

現時点では、バイアグラなどの治療薬を服用することが主流な治療法とて浸透しています。

4種類のED治療薬が製造されており、自分に適した作用のものを選ぶことができます。また、安価に購入することができるジェネリック医薬品の登場で、よりED治療薬が身近なものにもなっています。

そして、同時に新しい治療法の研究も進められています。数年後にはより効果的で安全性にも優れた新しい治療法が誕生することが期待できるでしょう。