1)シアリス20mgの効果と性交の成功率
1999年にRosen RC氏や Riley A, Wagner G氏らによって行われたフェーズIII試験のデータの統合分析によると、タダラフィルはプラセボと比較して5 mgから20 mgの用量において、すべての基準で勃起機能(EF)を大幅に改善したことが示されました。また、EDの重症度に関係なく、患者の50%〜65%が正常な勃起機能を取り戻し、治療中の性交の試みにおいて成功率がほぼ60%〜90%になったことが確認されました。
2)シアリスを初めて服用する男性への臨床試験とその結果
治療の段階において早期に性交が成功することは、男性の自信を高め、治療を成功に導くために重要な要素として評価されます。
Shulman氏らが2004年にJournal of Urologyに提出した研究ではタダラフィルを服用している男性が初めてお薬を服用した時の成功率と性交の成功がその後 維持されたかどうかが調査されました。
評価基準はSEP(Sexual Encounter Profile)の質問の中の、3つの質問の答えでした。
初回投与では、タダラフィル10 mgと20 mgを服用している男性の成功率が、プラセボに対して有意に高かったことが報告されました。
勃起が成功したかへの質問(SEP-Q1)において、プラセボが66%に対し、タダラフィルを服用した男性は10mgで85%、20mgで90%でした。
女性の膣への挿入が成功したかへの質問(SEP-Q2)において、プラセボが47%に対し、タダラフィルを服用した男性は10mgで74%、20mgで79%でした。
性交が成功したかの質問(SEP-Q3)において、プラセボが31%に対し、タダラフィルを服用した男性は10mgで56%、20mgで67%でした。
性交の経験に全体的に満足しましたかへの質問(SEP-Q5)において、プラセボが15%に対し、タダラフィルを服用した男性は10mgで36%、20mgで47%でした。
EDの重症度や患者の年齢に関係なく、タダラフィルを継続的に服用することにより、性交の成功を達成した男性の割合は増加しました。
4回目〜8回目の投与の間に、女性の膣への挿入が成功したかへの質問(SEP-Q2)において約95%が、性交が成功したかの質問(SEP-Q3)において90%が、性交の経験に全体的に満足しましたかへの質問(SEP-Q5)において81%が「成功した」と回答しました。
初回投与成功後、12週間の成功率は、タダラフィルを服用した男性がプラセボを服用した男性と比較して有意に高かったことが報告されました。
女性の膣への挿入が成功したかへの質問(SEP-Q2)においてプラセボが75%に対し、タダラフィルを服用した男性は10mgで85%、20mgで91%、性交が成功したかの質問(SEP-Q3)において、プラセボが64%に対し、タダラフィルを服用した男性は10mgで81%、20mgで88%でした。
3)タダラフィル20mgを1日おきに長期的に服用した試験とその結果
2004年にEuropean Urology誌に掲載されたRosano GMC氏らによる研究によると、EDの重症度に関係なく、タダラフィル20 mgを1日おきに1か月間服用した場合、血管障害を有する患者の血管内皮機能が改善されたことが示されました。お薬から得られたメリットは治療中止後も2週間持続し、これは亜硝酸塩または硝酸塩レベルの増加とエンドセリン-1の減少に関連していました。
年齢の増加は、血管疾患およびEDの主な危険因子であり、歳をとるにつれて血管内皮機能障害が生じやくすなります。
動脈疾患を患っていない高齢の患者(60〜70歳)でEDを患った男性が、慢性タダラフィル20 mgを1日おきに3か月間服用すると自発な勃起機能が改善したことが確認されました。
また、2005年に同誌に掲載されたCaretta N氏による研究によると、投与を中止してから1か月後、性機能の自発的な改善が、動脈疾患を患っていない患者で55%〜65%、頸動脈内膜が厚くなる頸動脈硬化の患者で16%報告されました。
4)糖尿病患者におけるタダラフィルの効果
2004年にDiabetologia誌に掲載されたFonseca V氏らによる研究において、糖尿病の男性におけるタダラフィルの有効性と安全性を確認するために、12のプラセボ対照試験から収集されたデータの遡及的分析が行われました。
血糖コントロールと糖尿病治療に関係なく、タダラフィル10 mgと20 mgでは、プラセボと比較して、すべての患者のすべての主要な有効性の結果を改善しました。タダラフィル20 mgを投与されたグループは、IIEF-EF(勃起機能/ Erectile Function)ドメインスコアの平均改善がプラセボの0.9に対して7.4であり、性交を試みた際の成功率の平均がプラセボの22%に対し、53%でした。
5)脊髄を損傷した患者におけるタダラフィルの効果
2004年に Spinal Cord誌に掲載されたDel Popolo Gらによる研究では、平均年齢が34.6歳で、21〜60歳の間の30人の脊髄損傷患者がED治療の二重盲検比較試験に参加しました。この臨床試験ではタダラフィル10 mgの効果をシルデナフィル50 mgの効果と比較しました。
タダラフィル、またはシルデナフィルを服用することにより、患者は勃起を達成することができました。
IIEF(国際勃起機能スコア)の平均合計スコアはタダラフィルで17.82、シルデナフィルで15.75でした。このスコアは、タダラフィルで58.41%、シルデナフィルで40%のベースラインからの増加でした。
服用してから12時間後までにそれぞれのお薬に有意な差は認められませんでしたが、24時間後には、シルデナフィルと比較してタダラフィルの方が正常な性機能と全体的な性的満足度の改善において優れていました。
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