この記事では痩せる薬として有名なゼニカル(有効成分オルリスタット)についてまとめています。
適切な薬を選択するためにはしっかりと情報得ることが何より大切です。ゼニカルとは何か、どのような効果があるのか、どのメーカーが販売しているのか、飲み方、副作用や注意点、また購入方法についてわかりやすく紹介します。
ゼニカル(XENICAL)は、スイスの世界的な製薬会社Roche社が開発し、米国ではH2-Pharma社とCHEPLAPHARM社が販売する抗肥満薬の商品名です。ゼニカルの有効成分はオルリスタット(Orlistat)です。
ゼニカルは、1998年から欧米など70か国以上で発売され、肥満改善を助ける薬として長く使用されてきた歴史を持ちます。日本では2023年春まで未承認だった薬ですが、海外では処方箋なしで購入できる一般的な市販薬です。
ゼニカルの有効成分オルリスタット(Orlistat)は、食べた脂肪の吸収を抑制する薬です。肥満症の人を対象にダイエット、痩せるために用いられるものです。
オルリスタットは、摂取した油っぽい食事に含まれる脂肪の体内吸収を30%前後抑制して減量効果を示します。
脂っこい食事をとった時に吸収されにくくする効果があり、吸収されない脂分は便として出てくる仕組みです。
米国では1年間ゼニカルを服用した場合に、体重が10%減少したという研究結果が報告されています。
2004年に、肥満患者およそ三千人に対してゼニカル服用群とプラセボ群を比較した研究が発表されました。4年間の追跡によると、生活習慣の改善に加えてゼニカルを服用することで、肥満患者の体重を大きく減らすことができ、2型糖尿病の発症率もより低く抑える可能性が示されました。*
ゼニカルの他にもダイエットに用いられる医薬品はさまざま開発されています。しかし安全性が保たれないなどデメリットが報告されています。
・マジンドール(商品名サノレックス):食欲抑制効果があるが、副作用が多く依存性に注意。
・シブトラミン(商品名メリディア):食欲を抑制する。死亡事例があり販売中止に。
・セチリスタット(商品名オブリーン):脂肪の吸収を抑える。体重変化率は約2%。
ゼニカル(オルリスタット)は、脂肪分の多い食事の最中または直後に、水かぬるま湯で服用します。服用回数は、1日3回です。日本では1回オルリスタット60mgが承認されています。
・ゼニカルは、食事や運動などの生活改善の取り組みと合わせることで効果を発揮します。
・肥満の人を対象としたお薬で、痩せ型の人が使用することはできません。
・食べた脂肪の吸収を抑えるもので、食欲を抑制するものではありません。
ゼニカルの主な副作用は、脂肪を便と一緒に排出するため「油漏れ」と言われる症状があります。下痢、放屁、便意切迫、脂肪便、排便の増加、便失禁が報告されています。
また、脂溶性ビタミンA、D、E、Kの吸収も妨げてしまう可能性があるため、肌荒れや乾燥を招く恐れがあります。そのため、マルチビタミンとミネラルサプリメントを同時に摂取することが推奨されています。
ゼニカルの禁忌(使用できない患者)は、慢性吸収障害、胆汁うっ滞、オルリスタット・関連化合物に過敏症をもつ人、妊婦の使用も控えるよう言われています。
ゼニカルの有効成分オルリスタットは、日本で購入する場合ネット通販はなく、薬剤師の対面での指導が義務付けられている「要指導医薬品」です。amazonなどの通販サイトで市販されません。
ゼニカルは海外で広く承認されている医薬品で、低価格で購入できるジェネリックも発売されています。自分自身で使用する限りにおいて、海外のジェネリック医薬品は処方箋不要で購入できます。個人輸入した薬は人にあげたり売ったりすることは禁止されています。
参照リンク
オルリスタット フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「抗肥満薬」オルリスタット、処方箋なしに薬局で購入可能に…ネット販売は不可
*XENical in the prevention of diabetes in obese subjects (XENDOS) study