解毒効果、老化防止や美白効果で話題のグルタチオン(Glutathione)について解説します。
美容や健康に役立つ成分グルタチオンが多く含まれる食品、医薬品の効果、サプリメントについて詳しく見ていきましょう。
グルタチオン(Glutathione)は、私たちの細胞内に存在するアミノ酸化合物(ペプチド)で、肝臓などで生成されます。細胞が生き延びるために不可欠な成分です。
強力な抗酸化物質であり、解毒作用、美肌効果がある成分として有名で、アンチエイジングに注目されています。
日本ではグルタチオンは医薬品として発売されていますが、海外ではサプリメントとして一般的に市販されています。注射や点滴で体内に摂取するタイプから、錠剤やカプセル、また貼るパッチタイプも販売されています。
グルタチオン(Glutathione)は解毒作用、肝機能改善、美白効果などがあります。特に細胞にダメージを与える活性酸素・酸化ストレスの除去や、薬などの異物を排出する解毒作用が有用で医薬品に用いられています。
グルタチオンが枯渇すると、活性酸素が細胞を傷つけ、老化や生活習慣病の原因となります。
抗酸化物質であるグルタチオンは、細胞を有害物質から守る、解毒する働きがあります。抗酸化物質として細胞を外的なストレスから守ります。その作用により体温・血糖・免疫などを安定した状態に保ちます。
また、グルタチオンは、アルコールを飲み過ぎた後に起こる二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを解毒してくれる働きがあり、肝臓を元気にしてくれます。
体内でビタミンCもサビ取りをして抗酸化作用を発揮してくれます。しかし、酸化したビタミンCはサビた状態になり、パワーが弱まってしまいます。
グルタチオンはビタミンCを再び元気な状態に戻してくれるため、活性酸素の攻撃から守る力が復活します。
グルタチオンが多く含まれる食べ物はレバーが代表的です。そのほかに野菜にも含まれますがレバーよりは少量です。
野菜・果物 | 肉・魚介類 | その他 |
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ホウレンソウ、キャベツ、シロナ、パセリ、キュウリ、カボチャ、トマト、サヤエンドウ、ソラマメ、エノキタケ、キウイフルーツ、アボカド、ブロッコリー、アスパラガス | 豚レバー、牛レバー、牡蠣、マダラ、赤貝 | 小麦胚芽、パン酵母、米、酵母 |
食べ物に含まれるグルタチオンの量は、鮮度や加熱によって変化します。
グルタチオン点滴は、美白や体の疲労回復に、また風邪の初期症状、がん化学療法による抹消神経障害、重金属解毒、閉塞性動脈硬化症などの治療に用いられます。
中でもグルタチオン点滴は美白・美肌、色素メラニンを消去する・皮膚の老化を防ぐ効果が特に有名です。「白玉点滴」と呼ばれ、美容クリニックや美容外科で用いられることが多く芸能人や有名人が利用していることでも知られます。血管内に直接投与するグルタチオン注射(白玉注射)もあります。
クリニックでは1回5千円から1万円前後の料金が相場とされています。
日本ではグルタチオンは医薬品成分に定められているため処方箋なしに通販することはできません。日本の有名なサプリメントメーカーDHCやドラッグストアもグルタチオンを販売することができません。
海外では一般的に市販されているため、日本から海外のサプリメントを個人輸入する方法で通販ができます。
- 解毒薬
- 妊娠高血圧症候群
- 老人性白内障
日本で承認されている症状
- 薬物中毒、アセトン血性嘔吐症
- 慢性肝疾患における肝機能の改善
- 皮膚症状(急性湿疹、慢性湿疹、皮膚炎、じんま疹、リール黒皮症、肝斑、炎症後の色素沈着)
- 妊娠悪阻、妊娠高血圧症候群
- 角膜損傷の治癒促進
- 放射線療法による白血球減少症、放射線宿酔、放射線による口腔粘膜の炎症
医薬品であるグルタチオンの重大な副作用は特段ありませんが、主に発疹、食欲不振、悪心・嘔吐などが報告されています。
この記事は以下のリンクを参照につくられています。
生きた細胞内のグルタチオンを可視化し、定量する~がん治療研究や創薬研究への応用に期待~
植物性食品材料中のグルタチオン含有量 | CiNii Research