フェンベンダゾールとは

フェンベンダゾールは、ベンズイミダゾール系の駆虫薬(抗寄生虫薬)で、主に動物用医薬品として広く用いられます。寄生虫(線虫・一部条虫・原虫など)に対して作用し、犬猫・家畜・一部水産用途など、製剤・国により対象や適応が異なります。

フェンベンダゾールの作用機序

フェンベンダゾールは、寄生虫の細胞骨格に重要な微小管の形成に関わる β-チューブリン に結合し、チューブリンの重合(=微小管形成)を阻害します。これにより寄生虫の細胞機能が破綻し、結果として寄生虫の生存・増殖が阻害されます。英国の獣医薬品SPC(製品特性概要)では、「チューブリン重合阻害→微小管形成阻害」が作用機序として記載されています。

作用の流れ

寄生虫体内へ到達

β-チューブリンに結合

微小管形成が阻害され細胞機能が低下

寄生虫の生存・増殖が阻害され、排除につながる

日本と海外での位置づけの違い

日本における位置づけ

日本では、フェンベンダゾールは動物用医薬品としての情報が動物用医薬品等データベース等に掲載されています。例として「フェンベンダゾール1%散『KS』」では、豚の内部寄生虫(豚回虫・豚腸結節虫・豚鞭虫)の駆除が効能効果として示され、使用禁止期間など食品安全上の管理要件も記載されています。
また、厚労省資料でも、フェンベンダゾール等(オクスフェンダゾール、フェバンテル含む)について食品健康影響評価が行われた経緯が整理されています。

海外における位置づけ

欧州のCVMP報告では、フェンベンダゾールは家畜などに投与されるベンズイミダゾール系駆虫薬であり、「ヒト医療では使用されない」旨が明記されています。

米国のAmerican Cancer Societyは、フェンベンダゾールについて 「FDAはヒトに対していかなる目的でも承認していない」「ヒトでの安全性・有効性データが存在しない」 と注意喚起しています。

フェンベンダゾールを有効成分とする代表的な医薬品

日本で承認されているもの(動物用)

フェンベンダゾール1%散「KS」
製造元:共立製薬
フェンベンダゾールを含む散剤で、豚回虫、豚腸結節虫及び豚鞭虫の駆除作用を示します。
食用に供するために「と殺」する前7日間は使用禁止です。

ジェネリック医薬品

FBD
BH FBD 150mg
製造元:ヒーリングファーマ
有効成分含有量:150mg/222mg/444mg/500mg
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フェンベンダゾールの副作用

副作用は製品・対象動物・用量で異なります。欧州SPCの例では、推奨量の複数倍投与で一過性の下痢、嘔吐、流涎、落ち着きのなさ等が報告された旨が記載されています。

重要:ヒトでの自己使用に関する安全性懸念

ヒトに対しては未承認であり、自己使用により重篤な肝障害が報告された症例報告があります(がん患者の自己投与で重い肝障害に至った報告など)。
American Cancer Societyも、がん治療としての主張はデータに裏付けられず、害を生む可能性があると整理しています。

使用上の注意点

1) 「ヒト用ではない

FDAはヒトへの承認なし、ヒトでの臨床試験データ不足が指摘されています。
欧州CVMP報告でもヒト医療では使用されないとされています。

2) 食用動物では「使用基準」「休薬」の遵守

日本の動物用DBでは、使用基準が定められた医薬品としての扱いや、「と殺」前の使用禁止期間等が明記されています。

3) 妊娠・繁殖への注意

欧州SPCの一例では、妊娠動物に関する注意(例:犬では妊娠の時期制限、猫では妊娠中使用不可等)が記載されています。製品差が大きいので、製品の添付文書確認が必須です。

4) 代謝・分布(肝臓で代謝されやすい)

英国SPCの例では、経口投与後に肝臓でオクスフェンダゾール等へ代謝され、高濃度に達し得ることが記載されています。

入手方法

日本では、フェンベンダゾールは動物用医薬品として流通しており、製品によっては使用基準や獣医師の指導の下での使用が求められます。
海外製のジェネリック医薬品であるFBD(フェンベンダゾール)は、個人輸入で海外からの購入が可能です。

まとめ

フェンベンダゾールはベンズイミダゾール系に分類される動物用の駆虫薬で、寄生虫のβ-チューブリンに結合して微小管の形成を阻害することで効果を発揮します。
日本でも動物用医薬品として情報が整備されており、とくに食用動物に使用する場合は休薬期間を含む使用基準の管理が重要になります。
一方でヒトに対しては未承認であるにもかかわらず、がん治療目的での自己使用が広がっていますが、有効性を裏づける根拠は乏しく、肝障害などの有害事象も報告されているため注意が必要です。

参照:
フェンベンダゾールについて知っておくべきこと:American Cancer Society
フェバンテル及びフェンベンダゾール (第2版):厚生労働省
フェンベンダゾール1%散「KS」:動物用医薬品等データベース
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