「医療用大麻」という言葉があるように、大麻の健康への効果は絶大です。しかし、THCのために、なかなか各国の承認が得られずにいます。厳しい承認のプロセスを経て、CBDが医療用に承認された事例をいくつかご紹介します。
CBDについての基本情報は「CBD」の記事をご参照ください。
レノックス・ガストー症候群とドラベ症候群の2種類の小児てんかんの治療に、CBDを含むエピディオレックス(Epidyolex)という医薬品が2018年6月にアメリカのFDA(米国食品医薬品局)から初めて承認を受けました。2歳以上の小児に使用することが許されています。
2019年9月にEUとイギリスでもEpidyolexが小児てんかんを治療するために承認されました。GWファーマシューティカルズ (GW Pharmaceuticals)が開発したこの薬は、クロバザム(Clobazam)と呼ばれる別のてんかん薬と組み合わせて使用されます。
*イギリスではEpidyolexと表記され、アメリカではEpidiolexと表記されます。
サティベックス(Sativex)は、THCとCBDの両成分を含む大麻草が主成分の医薬品です。2010年6月にイギリスで承認を受け、多発性硬化症の患者への使用に承認されています。
サティベックスは、スペイン、チェコ共和国、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、イタリア、オーストリア、カナダ、ポーランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランドなどの国々で承認されています。
以上の2種類の医療用大麻がこれまでに世界各国で承認されています。
日本では、2019年の3月に厚生労働官房森審議官がエピディオレックス(Epidyolex)の治験は認めるとの見解を述べました。これにより、日本でも医療用大麻の可能性が大きく開けたこととなります。まだ正式な承認までには時間がかかりそうです。
詳しくは、「世界のCBDの法的位置:アメリカ、ヨーロッパ、カナダでは合法?それとも違法?」の記事もご参照ください。