
ヒト成長ホルモンは、脳の下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンです。成長の促進だけでなく、骨、筋肉、脂肪、糖代謝、体組成の維持にも関わっています。
医薬品として使用される場合は、主にソマトロピン(遺伝子組換え)として製剤化されています。日本では「ヒト成長ホルモン(遺伝子組換え)製剤」として扱われ、ノルディトロピン、ジェノトロピン、ヒューマトロープ、グロウジェクトなどの製剤があります。
ヒト成長ホルモン製剤は、単に身長を伸ばす目的で使われる薬ではありません。成長ホルモン分泌不全性低身長症、特定疾患に伴う低身長、成人成長ホルモン分泌不全症など、診断基準に基づいて使用される専門性の高い注射薬です。
ヒト成長ホルモンは、体内の成長ホルモン受容体に作用し、肝臓などでIGF-I(インスリン様成長因子-I)の産生を促します。
小児では、骨端線が閉じていない場合に骨や軟骨の成長に関わります。成人では、体組成、骨代謝、脂質代謝、生活の質などに関係するとされています。
医療現場では、治療効果や安全性を確認するために、血清IGF-I濃度を参考にしながら投与量を調整することがあります。
作用の流れ
皮下注射で投与
↓
成長ホルモン受容体に作用
↓
肝臓などでIGF-I産生が促進
↓
小児では骨端線を介した身長増加を支える
↓
成人では体組成、骨代謝、脂質代謝、QOLなどの改善を支える
日本では、ヒト成長ホルモン製剤は処方箋医薬品として承認されています。
製剤によって効能・効果は異なりますが、代表的な製剤では以下のような疾患が対象とされています。
これらはいずれも、医師による診断、適応判定、治療中の経過観察が必要です。自己判断で使用するものではありません。

ヒト成長ホルモン製剤は、基本的に皮下注射で使用されます。
用量は、対象となる疾患、体重、年齢、血清IGF-I濃度、治療反応、副作用の有無などに応じて調整されます。
たとえば、成長ホルモン分泌不全性低身長症では、1週間あたりの体重換算量を6〜7回に分けて皮下注射する方法が示されています。成人成長ホルモン分泌不全症では、少量から開始し、臨床症状や血清IGF-I濃度を確認しながら段階的に調整します。
使用量や投与間隔は疾患によって異なります。必ず専門医の指示に従ってください。

ヒト成長ホルモンでは、注射部位の赤み、痛み、硬結、浮腫、関節痛、筋肉痛、四肢痛、頭痛、しびれ、感覚異常などが報告されています。
また、耐糖能低下、糖尿病の悪化、甲状腺機能の変動、手根管症候群、頭蓋内圧亢進、けいれん、ネフローゼ症候群など、注意が必要な副作用もあります。
小児では、股関節痛、膝の痛み、歩き方の変化、姿勢の変化などにも注意が必要です。気になる症状がある場合は、自己判断で継続せず、医師へ相談してください。

ヒト成長ホルモン製剤は、誰でも使用できるものではありません。
【使用できない方(禁忌)】
日本の電子添文では、以下の方が禁忌とされています。
【使用前に慎重な確認が必要な方】
以下に該当する方は、使用前に慎重な確認が必要です。
【使用中の定期的な確認】
ヒト成長ホルモンは、糖代謝や細胞増殖に関わる成分です。そのため、使用前だけでなく、使用中も定期的な確認が必要になります。
また、血糖値、HbA1c、甲状腺機能などを確認することもあります。効果だけでなく、安全に使用できているかを確認しながら続けてください。
【注射部位の管理】
ヒト成長ホルモン製剤は皮下注射で使用されるため、注射部位の管理も大切です。
同じ場所に繰り返し注射すると、皮膚の硬結や局所反応が起こることがあります。上腕、大腿、腹部、臀部など、医師や医療機関から指示された範囲で、注射部位を順番に変える必要があります。
注射部位に強い赤み、痛み、腫れ、しこりが続く場合は、医師や薬剤師に相談してください。
スポーツ領域では、ヒト成長ホルモンは競技会内外を問わず禁止される物質として扱われていますので、競技者は注意が必要です。
日本で承認されている代表的な製剤には、ノルディトロピン、ジェノトロピン、ヒューマトロープ、グロウジェクトなどがあります。これらは医師の診断と管理のもとで使用される処方箋医薬品です。
海外製品では皮下注射のほか、サプリメントとして使用される製品もあります。
当サイトでは、以下の製品を取り扱っています。
ヒト成長ホルモンは、成長、体組成、骨代謝、脂質代謝、糖代謝などに関わるペプチドホルモンです。医薬品としては、主にソマトロピン(遺伝子組換え)として使用されます。
日本では、成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群における低身長、成人成長ホルモン分泌不全症などに対して、医師の診断と管理のもとで使用されます。
一方で、悪性腫瘍がある方や妊娠中の方には使用できません。また、糖尿病、脳腫瘍の既往、甲状腺機能の変動、注射部位反応などにも注意が必要です。
ヒト成長ホルモン製剤は専門的な管理が必要な薬です。使用を検討する場合は、自己判断を避け、医師や薬剤師などの専門家に相談してください。