
オルメサルタンは、高血圧の治療に使われる「ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)」という種類の降圧薬です。血圧を上げる体内物質の働きをブロックして血管を広げ、1日1回の服用で血圧を安定させます。
日本では先発薬「オルメテックOD錠」(第一三共)として承認されており、海外では同じ有効成分のジェネリック医薬品が多く製造されています。
体内には「アンジオテンシンII」という、血管を収縮させて血圧を上げる物質があります。オルメサルタンは、この物質が結合する受け口(AT₁受容体)を先にふさぐことで、血圧を上げる指令が届かないようにします。
服用したオルメサルタン メドキソミルは、体内で活性体のオルメサルタンに変わってから作用する「プロドラッグ」です。
作用の流れ
オルメサルタン メドキソミルを服用
↓ 体内で活性体オルメサルタンに変換
↓ アンジオテンシンIIがAT₁受容体に結合するのをブロック
↓ 血管の収縮やアルドステロン(塩分・水分をためるホルモン)の分泌が抑えられる
↓ 血管が広がり、血圧が下がる

オルメサルタンは1日1回、毎日同じ時間帯に服用します。少量から始めて、血圧の下がり具合を見ながら調整するのが基本です。
成人(日本の添付文書)
服用のポイント
飲み忘れたとき
気づいたときに1回分を飲み、次の服用時間が近い場合は1回飛ばします。2回分をまとめて飲まないでください。
※上記は電子添文に基づく一般的な目安です。実際の用量は年齢・症状・腎機能などをもとに医師が個別に判断します。自己判断で増減・中止しないでください。

副作用は軽いものから重いものまで幅があります。多くは血圧が下がることに伴う症状で、体が慣れると軽くなることもありますが、気になる症状が続く場合は医師に相談してください。
血管性浮腫 顔・唇・のど・舌の腫れ。のどの腫れは呼吸に関わるため緊急対応が必要です。腹痛や吐き気を伴う腸の浮腫が起こることもあります。
腎不全・腎機能の悪化 腎臓の血流に頼っている方では腎機能が急に悪くなることがあります。腎動脈狭窄や透析中の方は特に注意が必要です。
高カリウム血症 カリウムをためる方向に働くため、腎機能が低い方や、カリウム保持性利尿薬・カリウム製剤・ACE阻害薬などとの併用で起こりやすくなります。
ショック・失神・意識消失 血圧が下がりすぎて、冷や汗・吐き気・意識がぼんやりするなどの症状が出ることがあります。
肝機能障害・黄疸 AST・ALT・γ-GTPの上昇を伴う肝障害が報告されています。だるさ、皮膚や白目の黄ばみに注意してください。
重度の下痢(スプルー様腸症) 長期服用中に、体重減少を伴う重い慢性の下痢が起こることがあります。オルメサルタンに特徴的な副作用として、米国FDAもラベルに追記しています。
横紋筋融解症・アナフィラキシー・間質性肺炎 筋肉痛や脱力感、全身のかゆみと息苦しさ、発熱と空咳などが現れた場合はすぐに受診してください。

1) 妊娠中・妊娠の可能性がある方は使用できません 妊娠中期以降にARBを使うと、羊水過少や胎児・新生児の腎障害などが報告されています。妊娠がわかった時点で直ちに中止し、医師に相談してください。
2) 糖尿病でアリスキレンを服用中の方は原則併用禁忌 脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症、低血圧のリスクが高まります。
3) 腎動脈狭窄・重い腎機能障害がある方 両側の腎動脈狭窄がある方は、治療上やむを得ない場合を除き使用を避けます。重い腎機能障害では血中濃度が上がりやすく(重度で約2.8倍)、慎重な管理が必要です。
4) 高カリウム血症・カリウム製剤との併用 カリウム保持性利尿薬、カリウム補給剤、ACE阻害薬、アリスキレンなどとの併用では血清カリウムが上がりやすくなるため、定期的な血液検査が重要です。
5) 利尿薬使用中・厳格な減塩中・透析中の方 薬が効きすぎて一時的に血圧が急に下がることがあります。低用量から始め、増量はゆっくり行います。
6) 痛み止め(NSAIDs)との併用 降圧効果が弱まったり、腎機能が悪化したりするおそれがあります。高齢者、脱水気味の方、腎機能が低い方は特に注意してください。
7) リチウム製剤との併用 リチウム中毒を起こすおそれがあるため、併用する場合は血中リチウム濃度の確認が推奨されます。
8) 手術・麻酔の前 麻酔中に血圧が大きく下がる可能性があるため、手術前24時間は服用しないことが望ましいとされています。手術予定がある場合は必ず医師に伝えてください。
高血圧の薬にはいくつかの系統があり、日本高血圧学会のガイドラインでも、Ca拮抗薬・ARB・ACE阻害薬・少量の利尿薬などが主要な降圧薬として挙げられています。オルメサルタンはこのうちARBに分類されます。
| 項目 | オルメサルタン(ARB) | ACE阻害薬 | Ca拮抗薬 | 利尿薬 |
|---|---|---|---|---|
| 主な作用 | アンジオテンシンIIの受け口をふさぐ | アンジオテンシンIIの産生を抑える | 血管の筋肉をゆるめる | 塩分・水分の排出を増やす |
| 空咳 | 起こりにくい | 起こることがある | 通常なし | 通常なし |
| 主な注意点 | 妊娠禁忌、腎機能、高K血症、重い下痢、血管性浮腫 | 妊娠禁忌、腎機能、高K血症、空咳、血管性浮腫 | むくみ、動悸、歯ぐきの腫れ | 脱水、低Na・低K、尿酸上昇 |
| よくある併用 | Ca拮抗薬・利尿薬と併用 | ARBとの併用は原則避ける | ARB等と併用 | ARB等と併用 |
どの薬が合うかは、年齢、血圧の値、合併症、腎機能、妊娠の可能性、併用薬などによって変わります。自己判断で選ばず、医師の診断を受けてください。
日本・海外での承認状況
日本では、オルメサルタンは処方箋医薬品として承認されており、医師の診断に基づいて処方されます。効能・効果は「高血圧症」で、先発薬は「オルメテックOD錠」(第一三共)です。
海外では「オルメテック(Olmetec)」などの名前で使われています。米国では成人に加えて6歳以上の小児の高血圧にも承認されており、成人の通常開始用量は20mg・1日1回とされています。
オルメサルタンを有効成分とするジェネリック医薬品は海外でも多く製造されており、個人輸入で購入することができます。当サイトでは以下の製品を取り扱っています。
| 商品名 | 含有量 | 製造元 | 商品ページ |
|---|---|---|---|
![]() オルメシプ | 20mg/40mg(100錠) | シプラ (Cipla) | 商品詳細ページへ |
![]() オムテン | 20mg/40mg(50錠・100錠) | ジョンリー製薬 (Johnlee Pharmaceuticals) | 商品詳細ページへ |
![]() オルメスマート | 20mg/40mg(30錠) | ヘリオス・ファーマシューティカルズ | 商品詳細ページへ |
![]() オルミー | 10mg/20mg(100錠) | ザイダスヘルスケア (Zydus Healthcare) | 商品詳細ページへ |
いずれも先発薬「オルメテックOD錠」と同じ有効成分(オルメサルタン メドキソミル)を含む
高血圧は自覚症状が少ない一方で、放置すると脳卒中や心筋梗塞、腎障害につながります。個人輸入で購入する場合も、血圧測定と定期的な検査(腎機能・カリウム値など)を続け、医師と相談しながら使用してください。
オルメサルタンは、血圧を上げるアンジオテンシンIIの働きを抑えて血管を広げるARB系の降圧薬です。1日1回の服用で安定した効果が期待でき、ACE阻害薬に比べて空咳が起こりにくいのが特徴です。
参照:
オルメサルタンOD錠「DSEP」添付文書:KEGG MEDICUS