メトホルミンとリベルサスは、どちらも2型糖尿病の治療に使われる飲み薬です。
ただし、メトホルミンはビグアナイド系薬剤、リベルサスはGLP-1受容体作動薬に分類され、血糖値を下げる仕組みや飲み方、副作用などに違いがあります。メトホルミンは肝臓で糖が作られるのを抑えるなどして血糖値を下げるのに対し、リベルサスはGLP-1受容体に作用し、血糖値に応じたインスリン分泌などを調節します。
また、どちらも治療中の体重変化について注目されることがありますが、体重への作用も同じではありません。
この記事では、メトホルミンとリベルサスについて、血糖値や体重への効果、価格、飲み方、併用、副作用などの違いを比較します。
まずは、2つの薬の主な違いを見てみましょう。
| メトホルミン | リベルサス | |
|---|---|---|
| 有効成分 | メトホルミン塩酸塩 | セマグルチド |
| 薬の種類 | ビグアナイド系薬剤 | GLP-1受容体作動薬 |
| 本記事で比較する適応 | 2型糖尿病 | 2型糖尿病 |
| 主な作用 | 肝臓での糖産生を抑える、筋肉で糖を利用しやすくするなど | 血糖値に応じたインスリン分泌を促し、グルカゴン分泌を抑える |
| 国内製剤の主な規格 | 250mg、500mgなど | 3mg、7mg、14mg |
| 服用回数 | 通常1日2~3回に分けて服用 | 1日1回 |
| 食事との関係 | 食直前または食後 | 1日の最初の飲食前の空腹時 |
| 体重への影響 | 体重増加を起こしにくく、減少がみられる場合もある | 体重減少がみられる場合がある |
| 主な副作用 | 下痢、悪心、食欲不振、腹痛など | 悪心、下痢、便秘、嘔吐、腹痛など |
日本のメトグルコの添付文書では、2型糖尿病に対して通常1日500mgから開始し、1日2~3回に分けて食直前または食後に服用するとされています。一方、リベルサスは1日1回の服用ですが、空腹時に服用するなど、吸収を保つための決められた飲み方があります。
メトホルミンには、肝臓で糖が作られるのを抑えたり、筋肉で糖を利用しやすくしたりする働きがあります。
一方、リベルサスに含まれるセマグルチドはGLP-1受容体に作用し、血糖値が高いときのインスリン分泌を促すとともに、グルカゴンの分泌を抑えて血糖値を調節します。
同じ2型糖尿病の飲み薬でも、体内での働き方は大きく異なります。

メトホルミンとリベルサスは、どちらも2型糖尿病患者の血糖コントロールに使用されますが、臨床試験で確認されているHbA1cや体重の変化には違いがあります。
メトホルミンをプラセボと比較した29週間の臨床試験では、メトホルミン群のHbA1cはベースラインから1.4%低下したのに対し、プラセボ群では0.4%上昇しました。メトホルミンによる血糖コントロールの改善が確認されています。
一方、この試験での体重変化はメトホルミン群で約-0.6kg、プラセボ群で約-1.1kgで、体重について両群に有意な差は認められませんでした。つまり、メトホルミンは血糖降下作用が確認されている一方、この試験だけから強い体重減少作用があるとはいえません。
リベルサスについては、2型糖尿病患者703人を対象としたPIONEER 1試験で、26週間の治療によるHbA1cと体重の変化が評価されています。
治療の中止や追加治療の有無にかかわらず評価した解析では、HbA1cは3mgで-0.9%、7mgで-1.2%、14mgで-1.4%、プラセボで-0.3%でした。また、体重は3mgで-1.5kg、7mgで-2.3kg、14mgで-3.7kg、プラセボで-1.4kg変化しています。14mgではプラセボに対して有意な体重減少が確認されました。

ただし、これらはメトホルミンとリベルサスを直接比較した臨床試験ではありません。 試験期間や対象となった患者、用量、解析方法などが異なるため、数値だけを並べて「どちらの方が血糖値を下げる」「どちらの方が痩せる」と判断することはできません。
日本国内で2型糖尿病治療に使用されるメトホルミン製剤とリベルサスは、医師の診察を受けたうえで処方される医療用医薬品です。
海外で販売されている医薬品については、一定の条件のもと、自分自身で使用する目的で個人輸入する制度があります。個人輸入した医薬品を他人へ販売・譲渡したり、他人の分をまとめて輸入したりすることは認められていません。
ベターヘルスストアーでは、メトホルミンを含有する複数の商品とリベルサスを取り扱っています。
代表的なメトホルミン製品の価格は以下のとおりです。
| 商品 | 用量 | 数量 | 価格 | 1錠あたり | 商品詳細 |
|---|---|---|---|---|---|
![]() オカメット | 500mg | 100錠 | 2,990円 | 30円 | 商品ページへ |
![]() グリコメット | 850mg | 100錠 | 2,990円 | 30円 | 商品ページへ |
![]() グリシファージ | 500mg | 100錠 | 3,590円 | 36円 | 商品ページへ |
メトホルミンとリベルサスは、服用する回数だけでなく、食事との関係にも大きな違いがあります。
2型糖尿病の場合、日本のメトグルコの添付文書では、成人は通常メトホルミン塩酸塩として1日500mgから開始します。
1日2~3回に分けて食直前または食後に服用し、通常の維持量は1日750~1,500mgです。患者の状態に応じて増減され、成人では1日2,250mgが上限とされています。
実際の用量は製品や治療内容、健康状態によって異なるため、医師の指示に従って服用してください。
リベルサスは通常、1日1回3mgから開始し、4週間以上服用した後に7mgへ増量します。7mgを4週間以上使用しても効果が十分でない場合は、14mgへの増量が検討されます。
リベルサスは服用方法にも特徴があります。
1日の最初の食事や飲水より前の空腹時に、約120mL以下の水とともに1錠を服用します。服用後少なくとも30分間は、飲食やほかの飲み薬を避けます。
また、錠剤を割ったり砕いたり、噛んだりして服用してはいけません。食事やほかの錠剤と同時に服用すると、セマグルチドの吸収が低下するためです。
メトホルミンとリベルサスは、作用する仕組みが異なるため、2型糖尿病の治療で組み合わせて使用されることがあります。
実際にPIONEER 2試験では、メトホルミンを使用していても血糖コントロールが十分でない2型糖尿病患者を対象に、経口セマグルチド14mgを追加した治療が評価されています。PIONEER 4試験でも、メトホルミンを背景治療として使用している患者に経口セマグルチドが投与されています。
つまり、メトホルミンを服用しているからリベルサスを使用できないというわけではありません。
ただし、併用が適しているかどうかは、血糖値や腎機能、ほかに使用している糖尿病治療薬、持病などによって異なります。
自己判断でリベルサスを追加したり、メトホルミンの量を変更したりせず、医師に相談してください。
メトホルミンとリベルサスは作用の仕組みが異なりますが、どちらも消化器症状がみられることがあります。
メトホルミンでは、主に次のような副作用が報告されています。
メトグルコの添付文書では、下痢、悪心、食欲不振、腹痛などの消化器症状が比較的多く報告されています。
特に注意が必要な重大な副作用が乳酸アシドーシスです。
乳酸アシドーシスでは、胃腸症状、強い倦怠感、筋肉痛、呼吸が速くなるなどの症状がみられることがあります。腎機能障害や脱水、過度の飲酒などはリスクを高める要因とされています。
リベルサスでは、主に次のような消化器症状がみられます。
現在の添付文書では、重大な副作用として低血糖、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、イレウスなどが記載されています。
持続する激しい腹痛や嘔吐、高度の便秘、腹部膨満など普段とは異なる症状がみられた場合は、医療機関を受診してください。
メトホルミンとリベルサスは、どちらも2型糖尿病の治療に使われる飲み薬ですが、作用の仕組みや飲み方、副作用などに違いがあります。
メトホルミンはビグアナイド系薬剤で、肝臓で糖が作られるのを抑えたり、筋肉で糖を利用しやすくしたりして血糖値を下げます。
一方、リベルサスはGLP-1受容体作動薬で、血糖値に応じたインスリン分泌を促し、グルカゴン分泌を抑えることで血糖値を調節します。
臨床試験ではどちらも血糖コントロールへの効果が確認されていますが、体重への影響や服用方法、価格などは異なります。また、両剤を組み合わせて使用する治療も行われています。
どちらを使用するか、また併用するかどうかは、価格や体重への影響だけではなく、血糖値や健康状態、ほかに使用している薬などを踏まえて医師と相談することが大切です。
参照:
PMDA「メトグルコ錠250mg/メトグルコ錠500mg」
PMDA メトグルコ 医療用医薬品情報
PMDA「リベルサス錠3mg/7mg/14mg」
PMDA リベルサス 医療用医薬品情報
DeFronzo RA, Goodman AM. Efficacy of metformin in patients with non-insulin-dependent diabetes mellitus. N Engl J Med. 1995;333(9):541-549.
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Aroda VR, et al. PIONEER 1: Randomized Clinical Trial of the Efficacy and Safety of Oral Semaglutide Monotherapy in Comparison With Placebo in Patients With Type 2 Diabetes. Diabetes Care. 2019;42(9):1724-1732.
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Rodbard HW, et al. PIONEER 2: Oral Semaglutide Versus Empagliflozin in Patients With Type 2 Diabetes Uncontrolled on Metformin. Diabetes Care. 2019;42(12):2272-2281.
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Pratley R, et al. PIONEER 4: Oral semaglutide versus subcutaneous liraglutide and placebo in type 2 diabetes. Lancet. 2019;394(10192):39-50.
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