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レンボレキサントとは

レンボレキサントは、オレキシン受容体拮抗薬(DORA:Dual Orexin Receptor Antagonist)に分類される成分です。先発品は「デエビゴ」として販売されており、成人の不眠症(入眠困難・睡眠維持困難)の治療薬として、医療機関で処方されています。

レンボレキサントは、日本の製薬企業エーザイが自社創製した薬剤で、2020年1月に日本で製造販売承認を取得しました。米国でも2019年12月にFDAが不眠症治療薬として承認しています(商品名DAYVIGO)。

医薬品としての扱いは、日本・欧米ともに医師の処方箋を必要とする医療用医薬品です。市販(OTC)されているものではありません。なお、日本の薬機法および向精神薬に関する条約上の向精神薬には指定されていないため、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の一部にあるような処方日数の制限はありません。

レンボレキサントの作用機序

レンボレキサントは、覚醒状態の維持に関わる神経ペプチド「オレキシン」が、オレキシン1受容体・オレキシン2受容体に結合するのを妨げることで作用します。オレキシンの働きが弱まると脳が覚醒状態を維持しにくくなり、自然な入眠・睡眠の維持が促されます。

ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬のように、GABA系を介して脳全体を鎮静させるのとは異なる仕組みで、覚醒を促すスイッチを弱めることで眠りへ導く点が特徴です。

作用の流れ

就寝直前に内服(食事と同時・食直後は吸収が遅延)

肝臓で主にCYP3A4により代謝

オレキシン1受容体・オレキシン2受容体への結合を阻害

覚醒を維持する働きが低下

自然な入眠・睡眠の維持を促す

レンボレキサントの使い方

レンボレキサントは経口薬(錠剤)で、添付文書上の成人の用法・用量の目安は次のように定められています。

  • 通常:1回5mgを1日1回、就寝直前に服用
  • 症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこと
  • 高齢者:転倒リスクなどを考慮し、5mgから開始することが推奨される

実際の用量は、年齢、肝機能、併用薬などにより医師が個別に判断します。上記はあくまで一般的な目安であり、自己判断での服用量の変更は避けてください。

食事中または食直後に服用すると、吸収が遅れて効果の発現が遅くなるおそれがあるため、夕食から2〜3時間以上あけたうえで、就寝直前に服用することが望ましいとされています。服用後は速やかに就寝し、服用後に外出や車の運転などの活動予定がある場合は服用を避けてください。

レンボレキサントの副作用

レンボレキサントでは、傾眠(翌朝への持ち越しを含む)、頭痛、浮動性めまい、倦怠感、注意力障害などが比較的多く報告されています。

そのほか、異常な夢、悪夢、睡眠時麻痺(いわゆる金縛り)が報告されており、頻度は高くないものの、幻覚や錯乱状態、動悸が現れることもあります。

体調が普段と異なる、日常生活に支障をきたすなどの場合は、自己判断で様子を見ず、服用を中止したうえで医師に相談してください。

レンボレキサントの使用上の注意

1)アルコールとの併用を避ける

アルコールは精神運動機能を低下させ、本剤の作用を強める可能性があるため、服用時の飲酒は避けてください。

2)CYP3A阻害薬との相互作用

代謝酵素CYP3Aを阻害する薬剤と併用すると、血中濃度が上昇し副作用が強まるおそれがあります。併用がやむを得ない場合は、1日2.5mgまでに制限されます。服用中の薬がある場合は、必ず医師・薬剤師に申告してください。

3)肝機能障害がある場合

重度の肝機能障害がある方は使用できません。中等度の肝機能障害がある方は、用量の制限が必要です。

4)過敏症の既往がある場合

本剤に対して過敏症の既往歴のある方は使用できません。

5)服用後の行動制限

服用後は速やかに就寝してください。翌朝も眠気や注意力の低下が残ることがあるため、服用後に自動車の運転や危険を伴う機械の操作を行わないよう注意が必要です。

6)妊娠・授乳、高齢者、長期使用

妊娠中・授乳中の方、高齢者、長期間の服用が見込まれる場合は、医師の指示に従って使用してください。

7)習慣性について

本剤は「習慣性医薬品」に分類されています。ベンゾジアゼピン系睡眠薬と比べて依存性は低いとされていますが、漫然とした長期使用は避け、医師と相談しながら使用することが推奨されます。

他の睡眠薬との違い

レンボレキサントは、覚醒を促すオレキシンの働きを抑えるオレキシン受容体拮抗薬で、ほかの主な睡眠薬とは作用の仕組みが異なります。

項目レンボレキサント(デエビゴ)スボレキサント(ベルソムラ)ベンゾジアゼピン系/非ベンゾ系睡眠薬
主な作用オレキシン1・2受容体拮抗オレキシン1・2受容体拮抗GABA系を介した鎮静・催眠
適応入眠困難・睡眠維持困難入眠困難・睡眠維持困難不眠症全般
特徴翌朝への持ち越しが少ないとされる同じ系統の薬剤鎮静作用が比較的前面に出やすい
注意点食後服用を避ける、CYP3A相互作用食後服用を避ける、CYP3A相互作用依存、転倒、健忘、持ち越しなど

※ 実際にどの薬が適しているかは、不眠のタイプ、年齢、持病、併用薬などによって異なります。自己判断で選ばず、医師の診断のもとで処方を受けてください。

レンボレキサントを含む医薬品・関連製品の入手方法

日本・海外での承認状況

日本では、レンボレキサントは2020年1月に製造販売承認を取得し、エーザイが「デエビゴ」として販売している医療用医薬品です。処方箋医薬品のため、入手には医師の診断が必要です。開発から日が浅く特許が有効中のため、後発品(ジェネリック)は存在しません。

海外でも、米国では2019年12月にFDAが不眠症治療薬として承認しており(商品名DAYVIGO)、同様に処方箋医薬品として扱われています。

海外の医薬品は個人輸入という形で入手できますが、正規品かどうかの確認や、体調・肝機能を確認しないままの自己判断での使用にはリスクが伴います。疑わしい症状や既往歴がある場合は、事前に医師・薬剤師へ相談することが大切です。

当サイトで取り扱いの製品

当サイトでは、以下のレンボレキサント含有製品を取り扱っています。

商品名デエビゴ
パッケージデエビゴ(Dayvigo)
有効成分含有量5mg・10mg
製造元エーザイ・ファーマシューティカルズ・インディア
(Eisai Pharmaceuticals India Private Limited)
商品詳細ページ商品ページを見る

まとめ

レンボレキサントは、覚醒を促すオレキシンの働きを抑えることで、自然な入眠・睡眠維持を助けるオレキシン受容体拮抗薬です。ベンゾジアゼピン系睡眠薬と比べて依存性は低いとされていますが、翌朝への眠気の持ち越しや、まれに幻覚・錯乱状態などの副作用が起こることもあります。

医療用医薬品であるため、使用にあたっては必ず医師の診断と処方を受け、指示された用法・用量を守ることが大切です。体調に変化があった場合は、自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関に相談してください。

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