日本では新型コロナ第8波の懸念が報道されています。コロナに関する規制も緩和され国内旅行も活発になり、2022年10月にはついに海外から日本への渡航も自由になりました。
世界の感染状況や日本で懸念される第8波、コロナとインフルエンザの同時流行についてまとめました。
厚生労働省の専門家会合では、全国で増加傾向となり、第7波の時のような感染拡大につながる可能性が懸念されています。
年末に向かって、人の接触機会が増えることで第8波が考えられるため、医療体制がひっ迫しないように、ワクチン摂取を進めると同時に、「発熱などの体調不良時に備えて、検査キットや解熱鎮痛薬を早めに購入しておくなどの準備を」と厚生労働大臣は日本国民に呼びかけています。
WHOの2022年11月9日の発表では、日本の新規感染者数が増加傾向にあることが示されました。新規死亡者数については、米国、インド、中国、ロシア、フランスの順で多く、日本は上位には入っていませんが、感染は引き続き続いていることがわかります。
新規感染者数が多い上位5か国(2022年10月31日〜11月6日までの週) | |||
1位 | 日本 | 401,693人 | 42%増加 |
2位 | 韓国 | 299,440人 | 24%増加 |
3位 | 米国 | 266,104人 | 5%増加 |
4位 | ドイツ | 224,099人 | 40%減少 |
5位 | 中国 | 219,102人 | 15%減少 |
参照:https://www.forth.go.jp/topics/20221110_00001.html
2021年後半のデルタ株は肺炎に似た症状が特徴でしたが、2022年現在主流のオミクロン株は普通の風邪に似た症状を示すことが多いとされています。新型コロナ流行の初期に注目された味覚を失う症状は、今では一般的ではないようです。
デルタ株は下気道(気管、気管支、細気管支、肺胞)で増殖する傾向がありましたが、最近のオミクロン株は上気道(鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭)で増殖する傾向があるため、風邪に似た症状に変化していると言われます。
デルタ株(2021年夏流行) | オミクロン株「BA.5」(2022年夏流行) |
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呼吸器の症状あり | 呼吸器の症状なし |
しかし、風邪のような症状だからと言って安心はできません。ウイルスは進化し続けているため、症状はまた変化していく可能性があり専門家は注意を促しています。
2020年と2021年は行動制限など規制があったため、インフルエンザは流行しませんでした。それによりインフルエンザの免疫を持つ人が少ないことから、今年の冬は新型コロナとインフルエンザの同時流行になるかもしれないと指摘されています。
2022年11月11日に、コロナとインフルエンザの同時感染と診断された30代男性の症状は、38.7度の高熱、激しい頭痛、せきなどがあり、医師はタミフル(インフルエンザ治療薬)を処方したと報道されています。
もしも、日本で同時流行になった場合、ピーク時には1日の感染者数がコロナ45万人、インフルエンザ30万人にのぼると政府の推計では示されています。
一部ワクチン摂取会場では、コロナとインフルエンザの同時摂取を事前予約不要で開始しています。現在主流であるオミクロン株に対応しているワクチンの摂取率が8.2%という低いことも第8波の懸念材料とも言われています。
財政制度等審議会では来年度以降、今現在無料で提供されているワクチン摂取費用を有料化することが検討されています。先行きが見えない状況で国民に不安を与るのでは、という指摘も上がっています。
また、ワクチン摂取が推奨される中、新型コロナワクチン接種後死亡した例もあり厚生労働省は死亡一時金を支給することを発表しています。2022年11月7日の報道では、死亡一時金の支給が認められたのはこれまでに10人とされています。
コロナとインフルエンザの同時流行や第8波に備えて、検査キットや解熱剤、自宅療養に必要な食料品などを自分で備蓄するようにと各自治体は呼びかけています。
この記事は以下の情報を参考に作成されています。
“夏の第7波のような感染拡大の可能性”新型コロナ 専門家会合
新型コロナ 「BA.5」の症状は「BA.2」と同等 動物実験で
新型コロナ第8波は“史上最悪の流行”になる恐れ…「3つの悪材料」が国民を脅かす