現在、欧米各国をはじめアジア各国でも注目されている2つの2型糖尿病治療薬「セマグルチド」と「リラグルチド」。肥満に対する治療薬としても効果を発揮することから、ダイエット薬としても非常に大きな注目を集め、日本でも話題になっています。
ここでは、セマグルチドとリラグルチドについて、ダイエット効果・2型糖尿病治療での効果・安全性・価格の違いを比較!また、入手方法についてもご紹介しています。
セマグルチドとリラグルチドはどちらも、「GLP-1受容体作動薬」という種類に属する医薬品です。本来はどちらも2型糖尿病の治療薬として開発されたものです。しかし、臨床試験で肥満症に対する減量効果が認められたことから、新しい減量薬として欧米諸国では肥満と2型糖尿病の両方の治療薬として認可、処方されています。
セマグルチドは2型糖尿病の治療薬として内服薬タイプの「リベルサス錠」と皮下注射タイプ「オゼンピック」また、肥満症治療薬として皮下注射タイプ「ウゴービ」があります。
「リベルサス錠」は世界初の、そして唯一の経口のGLP-1受容体作動薬で、2型糖尿病患者の血糖値をコントロールして改善する糖尿病の治療薬として承認されています。
日本では2023年3月に承認され、2型糖尿病、肥満症(BMI35以上、BMI27以上で2つ以上の肥満関連疾患がある場合)に処方されます。
リラグルチドは2型糖尿病の治療薬として皮下注射薬があり、日本では「ビクトーザ」、アメリカ合衆国では「サクセンダ」として処方されています。リラグルチドは日本では2型糖尿病の治療薬としてのみ認可されており、肥満症の薬としては承認されていないため、肥満治療にリラグルチドを使用する場合は自由診療となります。
同じ種類に属するセマグルチドとリラグルチドですが、やはり気になるのは効果がどれだけあるかということですよね。自分に合った薬を選択するために、減量、2型糖尿病治療にどのような違いがあるかを掘り下げます。
減量の観点から言えば、セマグルチド注射の方がリラグルチドよりも減量サポートにおいてより効果的であることが実際に判明しています。
米国サウスカロライナ医科大学のパトリック・モニール氏を代表とする研究チームは、糖尿病がなく、体格指数 (BMI) が 30 kg/m 2以上の成人 (18 歳以上) に対してセマグルチド皮下投与とリラグルチドの影響について臨床試験を実施しました。この研究では、セマグルチド [0.05 mg、0.1 mg、0.2 mg、0.3 mg、または 0.4 mg; 0.05 に開始、リラグルチド3.0mg、およびその両方に対応するプラセボのランダム化試験を実施。皮下注射により1日1回の投与を行いました。
その結果、52週の試験期間中、セマグルチド投与群では平均15.8%の体重減少が見られたのに対し、リラグルチド投与では平均6.4%の体重減少が見られたと報告しました。
リラグルチドまたはプラセボの毎日の投与量と比較して、毎日0.2mgを超えるセマグルチドを摂取した患者の方が体重減少が大きく、より高用量のセマグルチドの方がより大きな体重減少をもたらすことが明らかになりました。*1
また、米国バージニア州アーリントンのワシントン体重管理研究センターの医学博士・ドメニカ M. ルビノ医師のチームが行った研究では、リラグルチドとセマグルチドは、食べ物への欲求をおさえ、摂取量を減らすことによって体重減少を引き起こす効果があるが、セマグルチドはカロリー摂取量を約35%減少させるのに対し、リラグルチドはカロリー摂取量を16%しか減少させないということが明らかにされました。*2
サウジアラビアのハッサン A. アルシュガイル氏らが実施した臨床試験によると、セマグルチドを投与した患者はリラグルチドを投与した患者よりも平均血糖値(HbA1c)が低下したことが明らかになりました。セマグルチド を1mg投与した患者は、リラグルチドを0.6mg、1.2mg、および1.8mgを投与した患者よりも平均血糖値レベルを0.56%、0.47%、および 0.3%低下させたことが示されました。*3
セマグルチドとリラグルチドは、化学構造が似ており、同じような効果を持ちますが、投与方法や副作用には違いがあります。体重減の観点から見ると、経口セマグルチドはリラグルチド皮下注・プラセボよりも優れています。ただ、安全性・忍容性は両薬とも同等です。*4
セマグルチドは週に1回皮下注射するタイプと、1日に1回経口で服用するタイプがあります。リラグルチドは、1日に1回皮下注射するタイプのみです。投与方法に違いがあり、セマグルチドとリラグルチドのどちらを選ぶかは患者の症状や目標、好みなどによって異なるでしょう。下記は好みを示したグラフでリラグルチドよりセマグルチドを使用している方が多いことが分かります。
国際市場において、Wegovy(ウェゴビー)とSaxenda(サクセンダ)は肥満治療用の医薬品として認知されており、Ozempic(オゼンピック)とVictoza(ビクトーザ)は糖尿病治療薬として処方されています。内容量やパッケージデザイン、使用方法に微細な差異がありますが、ウェゴビーとウェゴビー、サクセンダとビクトーザはそれぞれ同じ有効成分を含む医薬品として位置づけられています。
セマグルチド | リラグルチド |
---|---|
オゼンピック | サクセンダ |
ウェゴビー | ビクトーザ |
セマグルチドおよびリラグルチドをダイエット目的での使用に際し、両薬剤は共に5段階の用量設定があります。多くの場合、最大用量に至らずとも効果が見られるため、本分析ではセマグルチドの中用量(1.0mg)とリラグルチドの中用量(1.8mg)を用いて、月間の必要量及びコストを比較しています。オゼンピックについては、週一回の注射が特徴であり、その結果、針代などの関連コストも低減されます。
薬剤 | 使用本数 / 月 | 料金/月 |
---|---|---|
セマグルチド(オゼンピック) | 2本 | 46,200円 |
リラグルチド(サクセンダ) | 3本 | 65,340円 |
※オゼンピックは28日分、 サクセンダは30日分。
※その他、診察料 採血検査料、針代などがかかる。
つまり、セマグルチドの方がリラグルチドより約1.5倍安くなっていることが分かります。投与方法や、効果・値段を比較して検討されるといいでしょう。
セマグルチドとリラグルチドは、どちらも処方箋が必要な医療用医薬品です。したがって、一般の薬局やドラッグストアでは買えません。しかし、セマグルチドのリベルサスとリラグルチドのビクトーザ皮下注射はベターヘルで購入することも可能です。ベターヘルスは、海外の医薬品を個人輸入する際のサポートサービスを提供しています。お客様のニーズに合わせて、海外の提携先と協力して、お支払いや輸入・通関の手続きを代行します。
セマグルチドとリラグルチドは、どちらも2型糖尿病の治療に用いられるGLP-1受容体作動薬です。セマグルチドは、週に1回皮下注射するオゼンピックと、1日に1回経口で服用するリベルサスがあります。リラグルチドは、1日に1回皮下注射するビクトーザがあります。セマグルチドとリラグルチドのどちらを選ぶかは、患者の症状や目標、好みなどによって異なるでしょう。医師と相談して、最適な薬剤を選択することが重要です。
参照:
*1:「肥満患者の減量に対するセマグルチドの有効性と安全性をリラグルチドおよびプラセボと比較:無作為化二重盲検プラセボおよび実薬対照の用量範囲別第2相試験」(英語)
*2:「糖尿病を伴わない過体重または肥満の成人の体重に対するセマグルチドの毎週の皮下投与と毎日のリラグルチドの影響ーSTEP 8 ランダム化臨床試験」(英語)
*3:「毎週のセマグルチドとリラグルチドの有効性プロファイル: ネットワーク メタ分析」(英語)
*4:経口セマグルチドは皮下リラグルチドに劣らず:メディカルオンライン
近年、ようやく日本でも不妊症についてかなり理解が深まってきました。一昔前までは、不妊と言うと女性だけが責められたり、治療に対して理解が得られず積極的ではなかったり、金銭的にも高額な負担があったりと、なかなかハードルが高かったものです。しかし、不妊治療というのは女性だけの問題ではなく、男性の勃起不全も原因の一つとされています。
今回、子どもを望む夫婦にとっては嬉しいニュースがありました。バイアグラが不妊治療での処方で保険適用になったのです。経済的な負担が軽減することで、不妊治療に対するハードルが少しでも下がってくれたら嬉しいですよね。
この記事では、バイアグラの保険適用の対象条件や費用を分かりやすく解説します!
バイアグラは、2022年2月、不妊治療での保険適用が決定しました。そして同年4月から保険適用が開始されました。
厚生労働省はバイアグラ以外にも、「バイアグラODフィルム」「シアリス」なども併せて不妊治療目的に限った処方において、医療保険の対象としています。
これらは「PDE-5阻害薬」に分類される医薬品で、現在はこれらを使用しての不妊治療に限り、保険適用での治療が可能です。
WHOの発表によると、不妊の原因は女性だけではなく男性にも原因があるとされています。EDは、男性の不妊原因の一つとされています。
今回のバイアグラの保険適用となるのは、不妊治療であることが大前提として求められます。それを踏まえた上で、保険診療でバイアグラやシアリスの処方を受けるには、下記の条件を全て満たすことが求められます。
そもそも、政府がバイアグラの保険適用を認めることになった理由は、少子化対策です。少子化問題は日本における深刻な問題の一つであることは、みなさんご存知のことですよね。
これは、子供を望んでいてもEDが原因となって性行為に困難がある方に対し、高額になる不妊治療の治療費軽減を目的とした政策の一環です。
治療法 | 健康保険 | 治療費(1回あたり) |
---|---|---|
各種検査 (血液検査・子宮卵管造影検査・精液検査など) | 一部適応 | 数百円~2万円程度 |
タイミング法 | 適応 | 数千円~2万円程度 |
排卵誘発法 | 適応 | 数千円~2万円程度 |
人工授精 | 適応外 | 1万円~3万円程度 |
治療法 | 健康保険 | 治療費(1回あたり) |
---|---|---|
対外授精 | 適応外 | 20万円~60万円程度 |
顕微授精 | 適応外 | 30万円~70万円程度 |
凍結融解胚移植 | 適応外 | 10万円~20万円程度 |
顕微鏡下精巣内精子採取術 | 適応外 | 25万円~45万円程度 |
出典:中央ろうきん
もともと、厚生労働省は「不妊治療推奨度レベルA」に該当している治療には保険適用とする方針を掲げており、日本生殖医学会は不妊治療のガイドラインで、バイアグラやシアリスなどのPDE-5阻害薬は「推奨度レベルA」としていました。
そこで今回、厚生労働省はバイアグラの使用を保険適用の対象に指定すると決定したのです。
不妊治療に使われる医薬品のうち、保険が適用されるものは6成分16品目あります。その一覧表は下にあります。勃起不全の治療に用いられる「バイアグラ」、「バイアグラODフィルム」「シアリス」も、不妊治療の目的であれば保険が適用されます。
ED(勃起不全)治療薬・中折れなど勃起不全の症状を改善。 満足な性行為を行える勃起やその維持が可能。
薬品名 | 薬価 | |
---|---|---|
1 | バイアグラ錠 25mg | 960円 |
2 | バイアグラ錠 50mg | 1,380円 |
3 | バイアグラ ODフィルム | 992円 |
4 | バイアグラ ODフィルム | 1,424円 |
ED(勃起不全)治療薬・中折れなど勃起不全の症状を改善。 満足な性行為を行える勃起やその維持が可能。
薬品名 | 薬価 | |
---|---|---|
5 | シアリス錠 5mg | 1,344円 |
6 | シアリス錠 10mg | 1,455円 |
7 | シアリス錠 20mg | 1,530円 |
脳下垂体ホルモン剤・生殖補助医療における調節卵巣刺激
薬品名 | 薬価 | |
---|---|---|
8 | レコベル皮下注 12μgペン | 15,103円 |
9 | レコベル皮下注 36μgペン | 36,394円 |
10 | レコベル皮下注 72μgペン | 63,390円 |
ホルモン剤・調節卵巣刺激下における早発排卵の防止
薬品名 | 薬価 | |
---|---|---|
11 | ガニレスト皮下注 0.25㎎シリンジ | 9,085円 |
ホルモン剤・調節卵巣刺激下における早発排卵の防止
薬品名 | 薬価 | |
---|---|---|
12 | セトロタイド注射用 0.25mg | 9,241円 |
卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤・生殖補助医療における黄体補充
薬品名 | 薬価 | |
---|---|---|
13 | ルテウム腟用坐剤400mg | 553円 |
14 | ウトロゲスタン腟用カプセル200mg | 369円 |
15 | ルティナス腟錠100mg | 369円 |
16 | ワンクリノン腟用ゲル | 1,106円 |
保険が使える医薬品をもらうときには、自治体が送ってくる「医療費のお知らせ」という書類に内容が書いてあります。処方された日時や場所、量、保険の割合、払ったお金などが分かります。自由診療だと保険が効かないので、書類には出てきません。
ED治療薬には元の薬と同じ成分で安く作られたジェネリック医薬品があります。費用を節約したいなら、ジェネリックを考えてみてください。弊社で取り扱っているジェネリックは、10分の1の値段以下です。
薬剤名 | 用量 | 1錠あたりの費用相場 |
---|---|---|
バイアグラ錠 | 50mg | 1,400円~2,000円 |
バイアグラジェネリック | 50mg | 107円 |
バイアグラODフィルム | 25mg | 700円〜1,500円 |
レビトラジェネリック | 20mg | 120円 |
シアリス錠 | 20mg | 1,500円〜2,000円 |
シアリスジェネリック | 20mg | 115円 |
ジェネリックと先発医薬品との間に顕著な違いは認められません。主要成分や服用方法、効果の持続時間、副作用に至るまで、両者は非常に類似しています。お財布事情を考慮すると、ジェネリック薬への移行は自然の流れです。
ベターヘルスは海外の医薬品をお求めのお客様のために、個人輸入代行サービスを提供しています。当社は信頼できるパートナーと協力して、お客様の代わりに支払いや輸入・通関の手続きを行います。
参照:
不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて:厚生労働省
不妊治療薬の保険適用へ「バイアグラ」など16品:日本経済新聞
いつまでも若くいたい、老化を止めたい、できることなら若返りたい。老いに対する抵抗というものを、少なからず感じたことがあるのではないでしょうか。古くは紀元前2000年頃のメソポタミアで書かれた『ギルガメシュ叙事詩』という書物や、中国の古代文献『論語』や『黄帝内経』といった書物にも「不老不死・若返り」といった伝説が登場するほど、若返りというのは誰もが憧れ続けたものなのです。
そして遂に、この「若返り」が実現する薬剤の組み合わせを特定したという革命的な発表がアメリカのハーバード大学医学部の研究者チームにより行われました。
この研究は、アメリカのハーバード大学医学部遺伝学科教授のデイビッド・シンクレア(David Sinclair)教授が主導となり、ハーバード大学医学部、メイン大学、マサチューセッツ工科大学の研究者らで組織される研究チームが、「進行中の老化のプロセスを、1週間以内に逆転させることが可能な薬剤の組み合わせを特定した」という事をシンクレア教授自身のTwitterと医学誌『Aging』にて発表しました。
デイビッド・シンクレア教授は、「老化は元に戻せるか」という研究を長年に渡り行ってきた研究者の代表的な一人です。
今回の若返り研究はマウスを対象にして実施されました。成長ホルモン・メトホルミン・AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)という、酵素を活性化する薬剤の3種類をマウスに投与し、変化を研究したものです。
これら3種類の薬剤を投与した結果、マウスの老化した筋肉や肝臓組織、その他の臓器が若返ったのです。
今回の研究でマウスに投与された薬剤は、成長ホルモン・メトホルミン・AMPKです。
【成長ホルモン】
成長ホルモンは、脳にある「下垂体」という場所から分泌されるホルモンです。小児期には身長を伸ばす働きをしてくれたり、身体の成長には欠かせません。
成人になってからも成長ホルモンは必要なもので、筋肉・骨・皮膚を強くし、体内の様々な器官の修復や健康を維持する役割を果たします。また、成長ホルモンには脂肪分解作用もあるとされています。
【メトホルミン】
メトホルミンは、肝臓で糖が生成されるのを抑える糖新生抑制作用、筋肉や脂肪組織などの末梢で糖利用をうながす糖利用促進作用、小腸管からの糖の吸収を抑える糖吸収抑制作用という、3つの作用によって血糖値を下げます。糖尿病治療薬の中でも、非常に重要な薬剤の1つとされています。
*当サイトでは、「オカメット」や「グリシファージ」など、メトホルミンを含有する糖尿病治療薬のジェネリック医薬品を取り扱っております。
*メトホルミンについての詳細は「糖尿病治療だけじゃないメトホルミン「老化を防ぐ」と言われる理由をわかりやすく解説」で紹介しています。
【AMPK】
AMPKは「AMP活性化プロテインキナーゼ」とも呼ばれ、細胞内のエネルギー状態を恒常的に保つ働きを担います。細胞内のエネルギーが不足すると活性化し、糖や脂質などエネルギー代謝を調節する役割があります。
2型糖尿病や肥満治療のほかに、ガン、老化の調節因子としても近年注目を集めています。
そもそも老化とは、『個体の老化』と『細胞老化』にわけて考えられます。ここではまず、組織の機能が時間の経過に伴って徐々に低下していく『細胞老化』に着目します。細胞は通常、細胞分裂を起こして増え、新しい細胞が古い細胞に変わって体の機能を保ち続けます。しかし、細胞分裂が何らかの原因で止まってしまうと、細胞の老化が進行します。
細胞の老化が進むと臓器や皮膚などあらゆる部分に老化細胞が蓄積し、その結果として『個体の老化』つまり、体の衰えや肌の変化などといった目に見える老化が進行していくのです。
細胞で起こる代謝や反応には「NAD+」 という酵素が関係しており、健康維持や体力維持を担うのに不可欠とされています。 しかし、NAD+が欠乏することで様々な病気や加齢に伴う身体の衰えが引き起こされます。
このNAD+の減少を食い止めることによって、進行中の老化を改善できる可能性があるとして研究がされています。
山中因子とは、京都大学iPS細胞研究所の所長である山中伸弥教授らによって特定された遺伝子のグループです。この遺伝子グループはOct3/4、Sox2、Klf4、c-Mycという4つの遺伝子から構成されています。これらの遺伝子を特定の体細胞に導入することで、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることができます。iPS細胞は、全身のさまざまな細胞に分化することができる技術です。
この技術は再生医療や老化研究などに応用され、将来的には多くの疾患の治療や組織再生に貢献することが期待されています。山中教授のこの発見が高く評価され、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。その功績により、iPS細胞研究は世界中で注目され、医学の分野における重要な進展となりました。
山中因子を用いたiPS細胞の作製技術は、老化現象を巻き戻して若返らせることができる手法として注目されており、日本でも理化学研究所をはじめ、北里大学や京都大学など数々の機関で研究されてきました。マウスに人のiPS細胞を移植したところ、マウスに毛が生えたという実験結果も報告されています。
アメリカのソーク研究所などの研究チームは、この技術を生きたマウスに応用し、老化した組織や細胞を若返らせる実験に成功しました。実験では、長期間にわたって山中因子を導入したマウスの腎臓や皮膚の機能が改善されたことが確認されました。
また、DNAメチル化パターンなどの老化指標も若返ったことが観察されました。これは、山中因子の効果によって細胞が若返ることを示す重要な結果です。
研究チームは、この技術が加齢に伴う疾患や神経変性疾患などにおいても細胞の機能や回復力を向上させ、組織や生体の健康を回復させる新しいツールとなる可能性があると考えています。つまり、山中因子を活用することで『細胞老化』に伴う障害を克服し、身体の健康状態を回復させる治療法の開発や、『個体の老化』の進行を抑えるのではないかと期待が寄せられているのです。
このような成果は医学の分野において非常に重要であり、将来的には加齢による問題や疾患の治療に革新的なアプローチをもたらす可能性があります。山中因子を用いたiPS細胞の技術は、再生医療や健康寿命の向上に向けた有望な展望を示しており、さらなる研究と応用が待ち望まれています。
シンクレア教授は、「NMN」という物質をマウスに投与することで、老化した筋肉や皮膚、脳などの組織や細胞を若返らせることに成功したと発表しました。
「NMN」は、生命体が作った最初の分子のひとつであり、生命維持に必要なエネルギーを生成するのに必須の分子です。NMNは体内に取り込まれると、前述の「NAD+」へと変化します。
しかし、NMNから変換されるNAD+は、加齢とともに体内から減少し、老化を進める原因のひとつと考えられています。
シンクレア教授らの研究では、NMNの量を若いときと同じレベルに戻すことで、体内で生成されるNADの量を増やし、老化によって衰えた体全体にエネルギーそのものを与えることで「虚弱」を治すことができると主張しています。また、NMNは眼の疾患や難聴、肝臓や心臓を守る作用や、肝臓がんに対する抗腫瘍効果もあると報告しています。
さらにシンクレア教授は、この技術が加齢に伴う疾患や神経変性疾患などにおいても細胞の機能や回復力を向上させて、組織や生体の健康を回復させる新しいツールとなる可能性があるとしています。さらに、人間にも応用することで、寿命を延ばすだけでなく全身の若返りを実現することができるかもしれないと期待しています。
参照:
Protein Data Bank Japan「成長ホルモン」
男性の勃起不全に対して用いられるシナデルフィル(バイアグア)の経口懸濁液がこの度、アメリカのCMP Pharma(CMPファーマ社)から、そして、急速溶解錠剤(RDT)がMangoceuticals, Inc.(マンゴーシューティカル社)より新発売されることが発表されました。
現在、一般的に販売されているシルデナフィル錠剤が、さらに簡単に服用できるようになります。
シルデナフィル(Sildenafil)は、勃起不全(ED)の治療薬で、バイアグラに含まれる成分です。EDの原因である「PDE5」と呼ばれる酵素を阻害し、陰茎にある海綿体平滑筋の緊張状態を緩めて血流量を増やすことで、十分な勃起へと働きかけます。
ED治療において高い効果が期待でき、男性器の正常な勃起をサポートしてくれる世界で初めて誕生したED医薬品です。
※こちらでバイアグラの効果について詳しくご紹介しています。
こちらで、EDに関する詳しい解説や症状についてご確認いただけます。
シルデナフィルの経口懸濁液は錠剤を飲み込むことが苦手な方や嚥下が難しい人でも、簡単に服用できることが最大のメリットです。
錠剤のシルデナフィルを服用する際に、飲み難いからと粉砕して水に溶かす配合によっては服用量に微量の誤差が生じたりする可能性がありました。また、粉砕/混合された製剤は、配合された材料が不均一であるため、効果にばらつきが生じる可能性も懸念されます。
調合された懸濁液のこのような用量の不一致は、薬剤師と患者にとって長い間続く課題でした。しかし、このような課題にも対処できるのが液体タイプの経口懸濁液です。
急速溶解錠剤 (RDT) タイプのシナデルフィルは、一般的に販売されている錠剤よりも効果を発揮する時間が短いのが特徴です。通常のバイアグアは服用後30分~1時間で効果が現れ始めるのに対し、急速溶解錠剤 (RDT) タイプは僅か10分でその効果が現れ始めます。
シナデルフィル(バイアグア)の経口懸濁液です。飲みやすいストロベリー味となっており、内容量は1本 122ml 入りです。
未開封の場合、Liqrevの使用期限は24か月となっています。
LIQREVは以下の方は使用できません。
● 定期的または断続的であっても、あらゆる形態の有機硝酸塩との併用。低血圧のリスクが高まる可能性があります。
● グアニル酸シクラーゼ刺激剤であるリオシグアトとの併用。シルデナフィルを含む PDE-5 阻害剤は、リオシグアトの降圧効果を増強する可能性があります。
● シルデナフィルまたは経口懸濁液の任意の成分に対する既知の過敏症既往歴がある方。(シルデナフィルの使用に関連して、アナフィラキシー反応、アナフィラキシーショック、アナフィラクトイド反応などの過敏症が報告されています。)
● 血圧
血管拡張効果は、低血圧もしくは降圧療法を受けている方でより顕著にみられる可能性があります。肺静脈閉塞症 (PVOD) での使用は肺水腫を引き起こす可能性がある為、使用を控えてください。また、LIQREVは重篤な血管閉塞性危機を引き起こす可能性があります。
● 耳や眼への影響
視力や聴力が突然低下または喪失した場合は、医師の診察を受けてください。
● その他の副作用
頭痛、消化不良、顔面潮紅、手足の痛み、筋肉痛、腰痛、下痢などの症状が現れる可能性があります。
製品に関する詳しい情報はリクレフの公式サイト(英語版)からご確認いただけます。
有効成分シルデナフィルを活用した、マンゴーシューティカル社からの第二弾となるED製品です。性機能障害の治療に伝統的に使用されてきたオキシトシンとL-アルギニンも加え、独自に配合した勃起不全(ED)に対する医薬品です。マンゴー風味の急速溶解錠剤(RDT) となります。
内容量は1 パッケージあたり6錠のパックに個別にパッケージ包装されています。
● 最近6カ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴にある方は服用しないでください。また、それ以前にこれらの既往歴のある場合には、心血管系障害の有無を十分に確認してください。
● 女性の方は服用しないでください。
● 性行為を行う少なくとも15分前に摂取することが最も効果的とされており、最大継続時間は36時間とされています。
● 飲酒をする場合は、マンゴーの摂取を控えることをお勧めします。
● 喫煙する場合、薬の吸収が妨げられる可能性があるため、マンゴーを摂取した後、少なくとも30分待ってから喫煙や電子タバコを吸うようにしてください。
● マンゴーの最大推奨投与頻度は、必要に応じて36時間ごとに1回の投与としてください。
● お召し上がりになるときにのみ個別の小袋を開封してください。マンゴーは光や湿気にさらされると錠剤が溶解したり崩壊したりする可能性があります。開封後はすぐにご使用ください。
製品に関する詳しい情報はmangoの公式サイト(英語)からもご確認いただけます。
参考:
PAH Products HCP Educational Brochure
LABEL: LIQREV- sildenafil suspension
新型コロナやウイルス性肝炎などウイルス性疾患の予防にワクチン接種が勧められていますが、さまざまな理由からワクチンを接種できない人もいるかと思います。それでも、病気に罹ってしまうとなかなか治らなかったり、重篤な症状が現れる心配もあります。
それを解消するために現在研究が行われているのがCBDの効果です。CBDの持つ成分がウイルス性の疾患に有効なのではと、今、注目が集まっています。
CBD | THC | |
---|---|---|
花・葉・根 | 違法 | 違法 |
成熟した茎・種子 | 合法 |
違法 |
CBD(カンナビジオール)は、大麻植物の中に含まれる成分の1つで、カンナビノイドと呼ばれる化合物の一種です。大麻植物には、主にCBD とTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれていますが、THCは精神作用を引き起こすことがあるため、日本では規制の対象となっています。対してCBDは、鎮痛、抗不安、抗炎症、抗けいれんなどの薬理作用があり、尚且つ精神作用を引き起こさないので、治療目的での利用が認められている医薬品もあります(海外)。日本ではサプリメントや食品の位置づけでCBD製品が市販されています。
新型コロナをはじめとしたウイルス性の感染症は、ウイルスが体内に侵入して細胞を攻撃することによって引き起こされます。感染が進行すると、免疫系がウイルスと戦い、ウイルスを体内から排除することを試みます。免疫系は、身体の防御システムであり、ウイルス感染症に対する主要な防御システムの1つです。
そしてCBDには、この免疫系に影響を与える様々な効果があるとされています。CBDが免疫に与える主な影響には次のようなものがあります。
CBDは、免疫系に影響を与え、ウイルスによる炎症反応を抑制することが知られています。一部の研究では、CBDには抗ウイルス作用があるとする報告があり、新型コロナウイルスの複製を抑制し、 CBDが感染者の免疫細胞の活性を調節することが示されています。ただし、これが新型コロナやウイルス性感染症に対して直接的な抗ウイルス作用があるかどうかについては、現在研究が進められている段階です。
マウスを使った実験では、新型コロナウイルスの増加を阻害しています。また、CBDは、ウイルスが細胞に侵入するのをブロックする作用も実験で示されました。これは、CBDが新型コロナの感染初期段階における抗ウイルス薬として利用できる可能性があるということです。※1
また、ウイルス性肝炎や麻疹、その他の進化する病原性ウイルスによる感染を抑制する効果も示されています。※2
さらに、麻の中に含まれる多数のカンナビノイドが新型コロナウイルス感染を抑制する能力について比較検討した実験結果では、CBDが最も感染を抑制する効果があることが示されました。
CBDは、炎症性サイトカインの生産を抑制したり、免疫反応を抑制したりすることも同時に報告されています。また、CBDはストレス反応を緩和することでも知られており、ストレスによって免疫機能が低下することがあるため、CBDが感染症に対する自己免疫応答を改善する可能性もあるとされます。
CBDがストレス緩和に役立つ理由は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンに影響を与え、自律神経を調整することにあります。これらの神経伝達物質は、ストレスによる不安やうつを和らげ、心の安定や活力を促進する役割を持っています。CBDは、これらの物質の働きを刺激することで、ストレスや不安を和らげ、リラックス効果を得ることができます。※3
CBDでリラックス効果を得る場合には下記の点に注意してください。
CBDを摂取することで、多くの人がストレスや不安の緩和を感じています。また、CBDは慢性痛や不眠など、ストレスに関連する症状にも効果があると報告されています。CBDはオイルやロールオンアロマなどの形で摂取できますが、使用量や方法は商品によって異なります。CBDを初めて使用する場合は、少量から始めて自分に適した量を見つけることが重要です。
CBDを使い始めるときは、少ない量から試して、どんな効果や副作用があるか見ながら少しずつ増やすのが良いと言われています。CBDの効果は個人差があり、質や濃度、体調、使う方法などによっても違います。治療中の疾患がある人はCBDを使う前に、医者に相談することが大切です。
CBDの研究は世界各国で盛んに行われており、より幅広い目的で用いられるようになっています。ウイルス感染やコロナ後遺症に関するCBDの研究は現在も進行中で、更なる報告が期待されています。
※1. カンナビジオール (CBD) が細胞およびマウスにおける新型コロナの感染を阻害する:Science Advance
※3. 不安と睡眠におけるカンナビジオール:大規模なケースシリーズ
コロナ後遺症で苦しむ人が増えているのは、日本だけでなく世界で問題視されています。コロナ後遺症は頭痛や眠気、めまい、喉の痛みなど重い場合は日常生活が困難になる場合も。
気のせいでも怠けているのでもないのに続くつらいコロナ後遺症について、原因や治療法、コロナ後遺症に効く治療薬について最新情報をまとめました。コロナ後遺症外来の治療費、コロナ後遺症で使える支援制度の例についても紹介しています。
コロナ後遺症は、感染してから療養期間が終わっても症状が慢性化して続いたり、感染後に回復してから症状が現れるものなどがわかっています。
コロナ後遺症の症状一覧 |
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疲労感、倦怠感(だるさ)、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰(かくたん) 、息切れ、胸痛、脱毛(抜け毛)、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下など |
参照元:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状」
海外でも、コロナ後遺症の記憶障害や頭痛が「ブレインフォグ(頭の中に霧がかかったような状態)」として問題になっており、コロナ後遺症患者の40%近くがその症状に苦しんでいることが報告されています。
保健指導リソースガイドによると、コロナ後遺症の広島県の調査例では、回答した人々のうち34%が「コロナ後遺症がある」と答えています。中でも倦怠感や息切れ・息苦しさは、多くの人がつらい症状としてあげています。
厚生労働省による情報でも、感染して入院した人の3割以上なんらかの症状が残っていることがわかっており、新規感染者は減少していますが、コロナ後遺症の相談増加していることが分かっています。*1
こちらの映像では、一年半以上もコロナ後遺症として倦怠感や腹痛など様々な症状が続いている男性の例が挙げられています。休業補償を受けているが復職できるのかわからず、不安な様子が語られています。
コロナ後遺症は大きな問題になっていますが、様々な薬の処方を受けてもなかなか改善しない人もいるなど、人によって回復状況が異なり、難しい課題であることが伺えます。
コロナ後遺症の原因は様々な可能性が考えられており、不明なところも多いのが現状です。研究では、免疫細胞「T細胞」が少ないと、症状が長期化するのではと考えられています。ウイルスが体に侵入してもウイルスのかけらが排除できず残っていることで炎症が起こると見られています。
京都大学の研究によると、女性の場合は「T細胞」が過剰に作られることで免疫の暴走が起こり、男性の場合は逆に「T細胞」があまり作られないことで回復が遅いと言うことが報告されています(参照:コロナ後遺症に“男女差” 男性が回復遅い理由とは)。
日本を含め世界各国でコロナ後遺症の研究はすすめられています。
●グアンファシン(Guanfacine)とN-アセチルシステイン(NAC)
米国の臨床神経科学者による研究では、コロナ後遺症でブレインフォグの症状がある12人の患者に対し、グアンファシン(Guanfacine)とN-アセチルシステイン(NAC)の投与をして、8人の患者に改善が見られて、一部の人は通常の活動ができるようになったと報告されました。*2
グアンファシン(Guanfacine)は、ADHD(注意欠陥/多動性障害)の治療薬として開発され、前頭前野の機能障害に関連する他の疾患の治療にも用いられる薬です。*3
N-アセチルシステイン(NAC)は、強力な抗酸化作用を持ち、高濃度酸素性肺傷害に対する抑制効果が期待される成分です。通常は解毒薬として処方されている医薬品です。*4*5
●パキロビッド(Paxlovid)
他にも、抗ウイルス薬パキロビッド(Paxlovid)がコロナ後遺症のリスクを減らすことが研究で報告されています。
パキロビッド(Paxlovid)は、抗ウイルス薬のニルマトレルビル(Nirmatrelvir)と、抗HIV薬であるリトナビル(Ritonavir)を組み合わせた薬です。パキロビッドを投与された患者は、投与されていない人よりも後遺症の発症率が少なかったことが示されました。*6*7
●ドネペジル(Donepezil)
脳内の神経伝達物質脳内アセチルコリン量を増加させる働きがある認知症の治療薬です。脳内コリン作動性神経系の機能低下を改善するドネペジル(Donepezil)は、コロナ後遺症の倦怠感やうつの症状に対しての改善が期待され、日本で治験が開始されました。*8
●低用量ナルトレキソン(LDN)
ナルトレキソン(Naltrexone)はアルコール依存症や麻薬中毒の治療薬として知られる薬ですが、低用量(1日1.75〜4.5mg)を服用することで免疫系の調整が行われて様々な疾患の進行を止める作用があると考えられています。アイルランドで行われた試験では、コロナ後遺症の一部の症状に対して改善が示されました。*9
まだこれらのコロナ後遺症の治療に効果が期待されている薬は研究が進められている段階です。さらなる大規模な試験が計画されています。
コロナ後遺症は完全予約制のところが多いため「コロナ後遺症外来」をお住まいの地域で探し、事前に予約して受診する必要があります。
新型コロナ感染の治療は全額公費負担となっていますが、コロナ後遺症の治療は自己負担になるのが実情です。
コロナ後遺症で働けなくなった場合、支援金を受けられる制度がありますので、ご自身が当てはまる要件を確認してください。
●労災保険
職場で新型コロナに感染した場合で、後遺症により療養が必要とされる場合には労災保険の対象となっています。(問い合わせ先:労働基準監督署)
●健康保険
健康保険に加入していて、コロナ後遺症で仕事ができない場合、要件を満たせば傷病手当金の給付を受けられます。(問い合わせ先:ご加入の健康保険組合)
●障害年金
コロナ後遺症により、日常生活に支障が出る場合、一定の要件を満たすと障害年金の受け取り対象となります。(問い合わせ先:日本年金機構)
●生活困窮者自立支援制度
コロナ後遺症で仕事に復帰できなくなり生活に困っているなどがある方は、住まいや就労の支援などが受けられます。(問い合わせ先:自立相談支援機関)
参考リンク
*2 Potential New Treatment for “Brain Fog” in Long COVID Patients
*5 N-アセチルシステインの高濃度酸素性肺傷害に対する抑制効果の検討
*6 新型コロナ陽性判定後5日以内にパクスロビド投与で、後遺症リスクが低減
日本では新型コロナ第8波の懸念が報道されています。コロナに関する規制も緩和され国内旅行も活発になり、2022年10月にはついに海外から日本への渡航も自由になりました。
世界の感染状況や日本で懸念される第8波、コロナとインフルエンザの同時流行についてまとめました。
厚生労働省の専門家会合では、全国で増加傾向となり、第7波の時のような感染拡大につながる可能性が懸念されています。
年末に向かって、人の接触機会が増えることで第8波が考えられるため、医療体制がひっ迫しないように、ワクチン摂取を進めると同時に、「発熱などの体調不良時に備えて、検査キットや解熱鎮痛薬を早めに購入しておくなどの準備を」と厚生労働大臣は日本国民に呼びかけています。
WHOの2022年11月9日の発表では、日本の新規感染者数が増加傾向にあることが示されました。新規死亡者数については、米国、インド、中国、ロシア、フランスの順で多く、日本は上位には入っていませんが、感染は引き続き続いていることがわかります。
新規感染者数が多い上位5か国(2022年10月31日〜11月6日までの週) | |||
1位 | 日本 | 401,693人 | 42%増加 |
2位 | 韓国 | 299,440人 | 24%増加 |
3位 | 米国 | 266,104人 | 5%増加 |
4位 | ドイツ | 224,099人 | 40%減少 |
5位 | 中国 | 219,102人 | 15%減少 |
参照:https://www.forth.go.jp/topics/20221110_00001.html
2021年後半のデルタ株は肺炎に似た症状が特徴でしたが、2022年現在主流のオミクロン株は普通の風邪に似た症状を示すことが多いとされています。新型コロナ流行の初期に注目された味覚を失う症状は、今では一般的ではないようです。
デルタ株は下気道(気管、気管支、細気管支、肺胞)で増殖する傾向がありましたが、最近のオミクロン株は上気道(鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭)で増殖する傾向があるため、風邪に似た症状に変化していると言われます。
デルタ株(2021年夏流行) | オミクロン株「BA.5」(2022年夏流行) |
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呼吸器の症状あり | 呼吸器の症状なし |
しかし、風邪のような症状だからと言って安心はできません。ウイルスは進化し続けているため、症状はまた変化していく可能性があり専門家は注意を促しています。
2020年と2021年は行動制限など規制があったため、インフルエンザは流行しませんでした。それによりインフルエンザの免疫を持つ人が少ないことから、今年の冬は新型コロナとインフルエンザの同時流行になるかもしれないと指摘されています。
2022年11月11日に、コロナとインフルエンザの同時感染と診断された30代男性の症状は、38.7度の高熱、激しい頭痛、せきなどがあり、医師はタミフル(インフルエンザ治療薬)を処方したと報道されています。
もしも、日本で同時流行になった場合、ピーク時には1日の感染者数がコロナ45万人、インフルエンザ30万人にのぼると政府の推計では示されています。
一部ワクチン摂取会場では、コロナとインフルエンザの同時摂取を事前予約不要で開始しています。現在主流であるオミクロン株に対応しているワクチンの摂取率が8.2%という低いことも第8波の懸念材料とも言われています。
財政制度等審議会では来年度以降、今現在無料で提供されているワクチン摂取費用を有料化することが検討されています。先行きが見えない状況で国民に不安を与るのでは、という指摘も上がっています。
また、ワクチン摂取が推奨される中、新型コロナワクチン接種後死亡した例もあり厚生労働省は死亡一時金を支給することを発表しています。2022年11月7日の報道では、死亡一時金の支給が認められたのはこれまでに10人とされています。
コロナとインフルエンザの同時流行や第8波に備えて、検査キットや解熱剤、自宅療養に必要な食料品などを自分で備蓄するようにと各自治体は呼びかけています。
この記事は以下の情報を参考に作成されています。
“夏の第7波のような感染拡大の可能性”新型コロナ 専門家会合
新型コロナ 「BA.5」の症状は「BA.2」と同等 動物実験で
新型コロナ第8波は“史上最悪の流行”になる恐れ…「3つの悪材料」が国民を脅かす
大規模接種会場で「コロナ」と「インフルエンザ」のワクチン同時接種行う 同時流行に備え
毎日新聞 コロナとインフル同時感染 奈良の30代男性 高熱や激しい頭痛
日本の医療制度は世界で1番とも言われます。その日本で今薬不足が起きているのはなぜでしょうか?
日本のジェネリック薬の供給不足の原因・理由、薬不足の状況はいつまで続くのか?医薬品の供給不足について、くわしく見ていきましょう。
厚生労働省によると、製薬会社の不祥事などにより出荷の停止や調整を受けて、3,000品目以上の供給不足の影響が出ている状態です。
特に先発薬と同じ成分を安価で入手できるジェネリック医薬品の供給不足がニュースとなっていますが、なぜ薬不足となっているのでしょうか?調べてみると理由は1つではなく、いくつかあります。
・ジェネリック医薬品大手の日医工社が、不適切な手順で薬の製造していたことが発覚して行政処分
・小林化工が製造・販売した真菌症の治療薬に睡眠導入成分が混入した問題により、医薬品の製造や販売の停止に
・2021年11月に大阪で起きた製薬会社が薬を保管していた倉庫の大規模火災による影響
・医療機関によっては足りなくなったら困るため多めに買うという動きも出て在庫の偏りが起こる
・コロナ禍で海外から医薬品の原材料が入りにくい
など、複数の出来事により日本の薬不足の状況が深刻になっています。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、世界的に物流体制が影響を受けている状況があります。世界の一部の国では衛生製品や医薬品などの製造や流通がスムーズにいかない状態が起きていると言われます。
特に、医薬品を輸入に頼っている先進国では、薬の在庫不足が大きなニュースとなっていました(日本も原薬は韓国や中国、インドからの輸入に大きく頼っています)。2022年は、輸送費の高騰などもさらなる問題として影響が出てくると考えられます。
・日本国内の医薬品製造会社が不祥事により処分を受けた
・一部医薬品の製造や販売が停止された
・製薬会社の倉庫が火災で影響を受けた
・薬不足を危惧して買い増しする動きがある
・コロナ禍により海外から原材料が入手しにくい
現在起きている医薬品の供給不足の解消は2〜3年はかかると数々のニュースメディアでは報道されています。日本政府は、ジェネリック薬の品質や安定供給の信頼性確保を図りつつ、2021年時点で、2023年度末までに全都道府県でジェネリック薬80%以上のシェアを目指していましたが、現在の薬不足の影響により目標よりも時間がかかると見られているようです。
日本の製薬業界全体で増産体制が整うには時間がかかり、薬不足はあと3 年続くと言われる中、供給不安定が落ち着くまでにはしばらくかかりそうです。
そのため、大規模にジェネリック医薬品が製造され、安定供給されているインドをはじめとした海外の国に注目を浴びています。日本の国内では入手が困難な薬も、他国で承認されている薬を個人輸入で購入することは可能です。
医薬品を海外から個人輸入する際には、処方箋は必要ありません。医薬品やサプリメントは、個人で使用する場合に限り、自己責任によって輸入することができるようになっています。
インドはジェネリック医薬品の世界的な生産国です。アメリカやヨーロッパをはじめ、安価で安定した医薬品の供給が必要な途上国への輸出販売を行っており、これらのインドの正規の製薬会社は、FDA(米国食品医薬品局)からの承認、国際標準化機構(ISO)が策定した品質マネジメント規格のISO 9001:2000の認証など高い基準をクリアしています。
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*こちらの記事は以下のサイトを参照しています
中日新聞 医薬品不足解消いつ 増産に限界、長期化も